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女優の前田敦子さんが11月29日、その年の優れた映画や俳優らに贈られる「山路ふみ子映画賞」の「女優賞」に輝き、東京都内で行われた贈呈式に出席した。前田さんは、映画「旅のおわり世界のはじまり」(黒沢清監督)と映画「町田くんの世界」(石井裕也監督)でタイプの違う役を演じきったことを評価され、「黒沢監督は一番尊敬する監督。不思議なぐらい、自分の人生にマッチしたタイミングで出合わせていただいた作品なので、これから一生のものになっていくなと思う。そういう作品ですてきな賞をいただけて本当にうれしい」と受賞を喜んだ。
前田さんは「旅のおわり世界のはじまり」について「主人公がウズベキスタンから日本に帰って成長できるように踏み出すという気持ちの変化を表している映画」と説明し、「私自身も、この作品が終わった後に、こんなにいろんな人生経験ができるとは思っていなかったぐらい、いろいろな体験をさせていただいた」と振り返った。
さらに「こうしたいと決めずに生きてきた感じはありますが、やりたいと思ったことすべてに挑戦していきたい」と語り、「自分で何かを決めるよりは、周りの方たちに望んでいただけるのであれば、ずっと(女優を)やり続けたい。ずっと夢を持ち続けて頑張っていきたい」と決意を新たにしていた。
同賞は、亡くなった元女優の山路ふみ子さんが日本映画振興のため私財で設立した「山路ふみ子文化財団」が主催し、今年で43回目を迎えた。「映画賞」は「蜜蜂と遠雷」の石川慶監督、「映画功労賞」は衣装デザイナーのワダエミさん、「福祉賞」は映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」の前田哲監督、「文化賞」は映画タイトルデザインの赤松陽構造さん、「新人女優賞」は映画「町田くんの世界」でヒロインを演じた関水渚さん、「文化財団特別賞」は女優の倍賞千恵子さんがそれぞれ受賞した。