小型ジェット機の運航が通年で可能になるよう、札幌市の丘珠空港では滑走路の延長が検討されています。
札幌市が昨夜開いた周辺住民との意見交換会では、期待と不安の声が飛び交いました。
札幌の空の玄関口、丘珠空港。
釧路市や函館市など北海道内路線を中心に、夏は長野県や静岡県にも就航しています。
札幌市では6年ほど前から丘珠空港の利活用の促進に向けた話し合いを進め、地域住民や市民の意見を取り入れ案をまとめました。
案によりますと、現在ある空港の滑走路を1500mから、300m延長し、1800mとすることにしています。
これにより停止距離を多く確保する必要がある冬にも小型ジェット機の運航が可能になることから、医療や防災の拠点となることも期待されています。
さらに発着便数の拡大で、現在の2倍以上となる、1日70便、最大100万人の旅客数を見込んでいます。
しかし…。
長岡 怜奈 記者:「滑走路の延長に期待が集まる一方、近くには住宅街が広がっており、市民からは騒音を懸念する声も広がっています」
空港周辺には名物の玉ねぎ畑や住宅街が広がっていて、安全面への不安や騒音問題が長年の課題となってきた経緯があります。
そして昨夜、周辺の住民と札幌市の意見交換会が開かれました。
札幌市空港活用推進室 小澤 宏亘 課長:「丘珠空港には底堅い需要、潜在的な需要があり、幅広い役割を担っていることから、少子高齢化、人口減少が見込まれている中でも、札幌市、北海道の発展に貢献するためにこれら役割を一層果たしていくことが求められている」
住民30人が参加した初回。
札幌市は「需要」という言葉を使いながら利活用の意義を訴えました。
参加者からは人口が減少する中で空港を中心に街づくりが進む期待の声があがる一方、飛行機のジェット化による騒音問題に懸念が示されました。
参加した住民は…。
期待と不安70代:「やはり騒音が一番問題かな。夏場は活用できるかもしれませんけど、冬場は活用できないんで、一年中通じて活用できるような形にしてほしい。」
期待 70代:「これだけ施設あるのに潰れてしまうのはもったいないし、滑走路延長してジェット機でも飛ばして、活性化のためには俺は賛成なんだけどね」
不安70代:「便数が増えてくると危険が増してくると思います。そこで住み続けるわけですから、そこの安全ていうところも不安があります」
周辺環境に配慮し魅力ある空港にするにはどうすれば良いのか。
札幌市は地域住民との意見交換会を各地で行ない、来週末からは全市民を対象にした会も開きます。
10年後の運用を目指し、国に丘珠空港の滑走路延長などを要望する方針です。