新型コロナの感染対策を緩和した中国。習近平国家主席はゼロコロナ政策に事実上の終わりを告げ、“打ち勝った”と述べましたが、感染は急拡大しています。
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いわゆる“ゼロコロナ政策”を大幅に緩和して以降、感染が急拡大している中国では、新年早々、街の至る所で混乱が起きています。
薬局では“薬”の争奪戦が勃発していました。長い行列をつくった人々のお目当ては胃腸薬です。売り切れた薬局もありました。
客
「胃腸薬はありますか?」
店員
「もうなくなったよ」
客
「もう売り切れた?」
多くの薬局から消えた胃腸薬。きっかけとなったのは、ネットで出回った、「新たな変異株に感染すると下痢の症状が止まらなくなる」という“うわさ”です。すると、“特定の胃腸薬が効果がある”という情報も出回り、買いだめする人が続出しているのです。しかし、確かな情報はなく、現時点ではただの“うわさ”にすぎません。
薬局の店員は少々あきれた様子でした。
薬局の店員
「突然なくなった。専門家が何か言うと庶民は慌てて購入して家にため込んでいる。下痢が多かったら家で塩水飲めばいいのに」
コロナ対策が緩和されても、感染に対する緊張感はまだまだ高い中国。この年末、習近平国家主席は、実に3年にわたったゼロコロナ政策に事実上の終わりを告げ、“打ち勝った”と国民に述べました。
中国 習近平国家主席(2022年12月31日)
「苦難に満ちた努力の末、未曽有の困難と挑戦に打ち勝った」
しかし、実際には、ゼロコロナ政策の緩和後、感染者が爆発的に増え、医療のひっ迫が課題となっているのです。上海の病院にも大勢の人が押し寄せていました。
街にも変化が起きていました。
記者(中国・上海、1月4日)
「ここは以前、PCR検査場だったんですが、 今はそれを改装して発熱外来の臨時の診察室になっています」
かつて、街の至る所に設置されていたPCR検査場は、現在、発熱外来用の施設に改造され、24時間体制で診察にあたっています。
“ゼロ”コロナとはほど遠い中国の感染状況。広州と重慶にある日本総領事館によりますと、それぞれの管内でいずれも70代の日本人男性が新型コロナに感染後、死亡が確認されたということです。
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感染の急拡大が進む一方で、中国政府は1月8日から国民の海外渡航を正常化させる方針を打ち出しています。
今、世界各国では、中国からの入国者に対する水際対策の強化が相次いでいます。これに対し、中国政府は対抗措置をとる方針を示しています。
中国の報道官
「我々は政治的目的を達成するために疫病の予防・コントロール措置を操作しようとすることに断固として反対する。異なる状況に対して、対等の原則に基づき、相応の措置をとる」
中国に対する水際対策の強化を巡り、韓国ではあるトラブルが発生しました。
韓国保健当局
「ホテル入室のための移動中に(陽性となった中国人が)“逃走”する事案が発生しました」
1月3日、空港の検査で陽性となった40代の中国人が隔離ホテルに移送される際、逃走したというのです。韓国・仁川のホテルの駐車場の防犯カメラには、到着した車から降りた中国人が全力で走り去っていく様子が映っていました。警察が行方を追っているものの、見つかっていないということです。
韓国メディアは、水際対策強化における準備不足を指摘しています。
(2023年1月4日放送「news every.」より)
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