夕方の帰宅時間を迎えるなか、東京や埼玉などでは今も大雪警報が出ています。大雪の影響は関東甲信の広い範囲に及んでいて、神奈川県の箱根では車がスタックするなどのトラブルが相次ぎました。
約1年ぶりに大雪警報が出された東京都心。夕方の帰宅ラッシュの時間帯を迎えるなか、都内では八王子で積雪が17センチに達しています。
東京の都心部では最も内陸側に位置する八王子市。都心に比べて冬は寒くなり、10日も朝から雪が降り始めました。
その雪の影響による障害物で八王子市内を走る京王高尾線が一時、運転見合わせになりました。
線路上に倒れたのは沿線の斜面に群生する竹。雪の重みで倒れたということです。倒れた竹は1本で作業開始後、ほどなく撤去されましたが、作業はそれだけで終わりませんでした。再び別の竹が雪の重みに倒れて来ないよう、予防的な伐採が続けられました。
10日午前10時半すぎ、島しょ部を除く全域に大雪警報が発表された東京。23区に大雪警報が出るのは去年1月6日以来、約1年ぶりです。
東京23区では雪は降ったものの、ほとんど積もりませんでした。
JR東日本によりますと、首都圏の在来線はおおむね通常運行。大手私鉄や地下鉄は一部で遅れが出ていますが、おおむね通常運行となっているものの、最新の情報に注意が必要です。
首都高速道路は午後4時半現在、中央環状線の一部の区間が予防的通行止めになっているほか、20カ所以上の出入口が予防的措置で閉鎖されています。また、空の便は羽田空港を発着する日本航空44便、全日空で32便が欠航となり、約8000人に影響が出ています。
朝から雪が降り始めた箱根。除雪車も早朝から走っていますが…。ハザードランプをつけて、ゆっくりと車がバックしてきます。坂を登れないのでしょうか。
男性:「(Q.大丈夫ですか?どうされました?)スタッドレスタイヤだが登れない」
坂でスリップ。ゆっくりゆっくり下りていきます。箱根は道も細く、1台止まるとすぐに通れなくなる場所も。道路の脇にトラックが1台止まっていました。
男性:「(Q.チェーンを巻いてる?)登れないのでチェーンを巻いている。スタッドレスでも駄目なんで…」
スタッドレスだけでは坂道を登れず、さらにチェーンを巻きます。しかし、そのわずか5分後…。トラックが滑ってタイヤが落ちてしまっているのでしょうか。先ほどチェーンを巻いたばかりのトラックです。
男性:「(Q.チェーン巻きましたよね?)チェーン巻いても駄目だった。はまってしまっている、タイヤが」
10日、箱根の積雪は3センチですが、坂が多いこの町では立ち往生する車が相次ぎました。
その箱根に近いJAF(日本自動車連盟)神奈川支部の小田原基地。隊員は朝からバタバタ、大忙しです。
JAF神奈川支部小田原基地・大木栄二班長:「朝から箱根は積もっているみたい。(依頼は)何件か入っているみたい」
話を聞いている最中にも…。
JAF神奈川支部小田原基地・大木栄二班長:「強羅。依頼が入りました」
場所は箱根の強羅。依頼は「冬用タイヤではないため、雪の影響のないところまで牽引(けんいん)してほしい」というものです。
小田原市内から強羅には坂道を登っていきます。すると、あちこちでトラブルが…。スタッフの車はスタッドレスタイヤでしたが、スタックしてしまいました。と、その時、JAFの隊員が車を降りました。
JAF神奈川支部小田原基地・大木栄二班長:「この先、もっと坂がきつくなって雪の量も増える。安全のためチェーンを付けて向かおうと思う」「(Q.スタッドレス+チェーンに?)そうです」
雪の状況が水を多く含み滑りやすいと判断した隊員は、スタッドレスタイヤの上からチェーンを装着しました。坂道に入ると、道路の左右には雪で動けなくなったとみられる車だらけです。この先で車が立ち往生して進めないため、レッカー車を置いて状況を確認しに徒歩で現場に向かいます。依頼者は関西から卒業旅行に来た20代のグループで、タイヤはノーマルタイヤです。
依頼者:「夜3時くらいに外に出ていて、その時は雪は降っていなかった。大丈夫かなと思って、寝て6時に起きたら雪が降っていた。早めに(車を)出そうと思っていたが、滑って出なかったのでレッカーを呼んだ」
JAFの隊員は一体どうするのでしょうか…。
JAFの隊員:「これを車にはかせて動かせるようにします。雪の中でも使える滑り止め」
応急処置として、通常のチェーンよりも装着に時間がかからない布チェーンを装着しました。依頼者は無事に坂道を降りられ、家路に就きました。この日、JAFの小田原基地に寄せられた依頼は50件にも上ったといいます。
JAF神奈川支部小田原基地・大木栄二班長:「事前にニュースでやっていたので予想はしていたと思う。でも思ったより降ったのかな。凍ってしまったらスタッドレスタイヤでも滑ってしまうこともある。できればチェーンも用意した方が良い」
山梨県でも朝から雪が降り続きました。富士急ハイランドです。すでに人の姿は見られません。積雪の影響で10日の営業を短縮し、午後1時で閉園しました。11日以降の営業については未定ということです。
10日午前6時すぎの時点で大雪警報が発表された長野県。予想外の大雪となったようです。
県内の広い範囲で雪が降っている長野県。南部の飯田市では今季最大となる18センチの雪が積もりました。リンゴ色の駅舎もすっかり雪化粧です。
この雪の影響でトラブルも相次いでいます。滑走路が真っ白に染まったのは松本空港。白い車両に引っ張られ、吹雪のなか、ゆっくりと機体が動いています。福岡から到着した航空機が積雪の影響により滑走路で止まり、駐機場まで牽引車で動かし乗客を降ろす事態となりました。
一方、国道153号では先が見えないほどの渋滞が起きていました。映像の進行方向に南下していくと、飯田市方面の坂道でスタックしたトラックを発見。警察は午前11時から交通整理にあたっていましたが、午後2時20分ごろトラックはようやく坂道を上ることができました。
長野県では、このまま11日にかけて積雪が増加。関東の平野部では今後、雨のエリアが拡大します。11日は路面凍結などに注意が必要です。
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