フィギュアスケート女子で昨年2月の北京オリンピック(五輪)に出場し、現在は休養中の樋口新葉(22=ノエビア)が26日、東京・千代田区の日本武道館で開催された明治大の卒業式に出席した。
好きな色という赤色の振り袖に、はかま姿。式典では大六野耕作学長から、代表して「スポーツ表彰」を受け取った。「ずっと心臓がバクバクだった」という卒業式を終え、大学生活を「早かった」と安堵(あんど)の表情で振り返った。
商学部で学んだ4年間は充実の日々だった。「一般入試で入ってきた人、違うスポーツの人。いろんな友達ができて、考え方が変わった。すごく影響を受けて、本当によかった」。
2年時にはコロナ禍に突入。オンラインで授業を受けながら、スケートの練習に励む日々は想像以上に大変だったという。それでも「自分の中では、うまく文武両道できたかな」と笑顔。新社会人になっても、「スケートだけ」ではない、大人な女性が目標だ。
北京五輪で団体銅メダルに貢献し、個人5位を獲得。だが、昨年4月に右すねの外側の骨を疲労骨折し、今季の競技会は全休していた。既にケガは完治済み。復帰時期は未定としながらも「元の競技レベルに戻せるようにしたい。その中でその先に全日本選手権やグランプリシリーズがあると思う」と、先を見据えた。
この日まで日本で行われる世界選手権では、坂本花織ら女子3選手が躍動。「メンタルを尊敬しています。自分のモチベーションになったし、課題につなげていきたい」。晴れの日に、決意を新たにした。