大阪のタクシー運賃が変わります。
西日本屈指の繁華街・北新地。新型コロナウイルスが落ち着き、街にも活気が戻っています。それに合わせて需要が高まるのがタクシーです。5月29日(月)の夜にも北新地の目の前の御堂筋沿いにはタクシーを待つ人で列ができていました。
(タクシーの利用客)
「今日月曜日やろ。それで待ってるってびっくりしたわ。すぐ乗れるんちゃうかなと思っていた」
終電を逃した人たちに重宝されるタクシーですが、実は5月31日に大きな転換点を迎えることになります。それが5000円を超えた分の運賃が5割引きになる「55割」の廃止です。
55割は2002年の規制緩和で競争が過熱して大阪の多くのタクシー会社が導入。飲み会帰りの会社員など遠距離を移動する人たちにとってはありがたい存在でした。ところが5月31日、初乗り運賃が値上げになるのを機に、55割を導入しているタクシー会社の95%が廃止へとハンドルを切るのです。
これについて利用客に話を聞きました。
(タクシーの利用客)
「しんどいですね。5000円以上半額になると思って乗っているので」
「割引がなくなるんでしょ。キツいです。歩いて帰ります。東大阪やったら大丈夫です」
「乗るかどうかちょっと考えるんちゃいます」
「電車のある時間に帰ろっかなと思いますよ」
一方でタクシードライバー側は?
(タクシードライバー)
「運転手側の僕からしたらありがたいですよ。タクシーの売り上げ的には多少上がると思います」
「売り上げが上がれば上がるほど私らの実入りは増えます。ただお客さんは大変やけどね。それでも乗って帰る人は乗って帰りますよ」
なぜ55割を廃止するのでしょうか。初乗りの安さを売りにするタクシー会社「ワンコインドーム」は5月31日からは「9000円を超えた分を1割引き」するという「91割」に切り替えます。
(ワンコイングループ 町野革会長)
「利用者は安ければ安いほどいいですけど、大阪だけ突出して安売り競争していたので。大阪のこの安売り競争がもたらした結果が、乗務員の質や会社の質としても東京の一流どころと比べると劣っているんじゃないかなと」
値上げをしてでも労働環境を改善することはタクシー業界の未来のために不可欠だと話します。
(ワンコイングループ 町野革会長)
「乗務員の一番多い年齢層っていうのが70歳~75歳なんですよ。乗務員の若返りというのは業界として必須の課題です。そのためにはやっぱりお金がかかるんですよ。養成するというのは。値上げや企業努力によって利益率を上げて、その分を人と車に投資していく」
大阪のタクシー業界に今新たな風が吹いています。
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