レギュラーガソリンの価格が1リットル200円台になる可能性があります。なぜ、価格が高騰しているのか。消費経済などに詳しい経済評論家の加谷珪一さんに話を聞きます。
――ガソリンが1リットル200円の可能性もあるとのことですが、加谷さんの見解を教えてください。
“悪い材料がそろえば”という前提条件付きですが、今後は200円台になる可能性がゼロではないと予想しています。
――悪い材料はいくつかありますか。
ガソリン価格が少しずつ上がっている最大の要因は、政府の補助金が削減されていることです。ガソリン代に対して、2022年から政府は170円を超えるくらいを目安に補助金を出していました。そのため、あまりガソリン代は上がっていませんでしたが、2023年6月から段階的に補助金が削減されていて、9月末には終了する見通しです。
政府からの補助金がなくなると、場合によっては平均価格が180円台になる可能性は十分あると思います。
――そのほか、悪い材料はどのようなものがありますでしょうか。
ガソリン価格が決まるのは主に2つの要因があります。1つは国際的な原油相場の価格です。1バレル当たりの金額が国際的に決まります。原油価格が上がると、それに応じてガソリン価格も上がり、原油価格が下がるとガソリン価格も下がります。
もう1つの要因が為替の影響です。日本では基本的に石油は輸入になるので、ドル円市場がいくらになるのかによっても左右されます。仮に原油の価格が下がったとしても、円安になり1ドルの日本円の価格が下がってしまうと、ガソリン価格も上がります。
政府からの補助金がなくなるほか、原油価格の上昇や円安が進むといった悪い条件が重なった場合は、200円台もあり得ると思います。
――要素の1つのである原油価格については、どのような見立てでしょうか。
原油価格はロシアのウクライナ侵攻をきっかけに一時期急騰しました。2022年は1バレル当たり100ドルを超えていたのです。その後は少し落ち着いて、現在は1バレルあたり80ドル台で推移しています。
ただ、ウクライナ情勢次第で変動します。また産油国の1つであるサウジアラビアの減産、生産量を減らして価格を上げようとしているので、今後は原油価格が上昇するのではないかと予想する専門家も多いです。
――今後も円安が続く流れが見えていますね。
為替で最も影響が大きいのは、日銀の金融政策だと思います。今のところ日銀は黒田前総裁の大規模緩和策を継続するスタンスを変えていません。そうなると必然的に円安が進みやすいので、今のところ急激に円高に戻す可能性はあまり高くない状況かと思います。
――さまざまな要素が重なっていますが、長期的に見て今後下がる要素はありますか。
ロシアのウクライナ侵攻の問題が平和的に解決すると、原油価格も落ち着いてくるかと思います。また、日銀が金融政策を転換して大規模緩和策から正常な状態に戻し、金利を上げるという方向に舵を切った場合は円高になる可能性が高いです。こうした2つの材料がそろえば、大きく値下がりがある可能性もあるかと思います。
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