江戸文化の裏の華である“笑い絵”とも言われた春画の奥深い魅力を、 真面目に説く変わり者の春画研究者と、しっかり者の弟子という師弟コンビが繰り広げる春画愛をコミカルに描く『春画先生』。主演に内野聖陽、ヒロインに北香那、共演に柄本佑、白川和子、安達祐実を迎え、『月光の囁き』(1999年)、『害虫』(2002年)などの先鋭的な作品で映画ファンを唸らせてきた名匠・塩田明彦が監督・脚本を手掛ける。
春画は江戸幕府から禁止された禁制品で表に出なかったからこそ、自由な創作が可能となり、とどまることを知らぬ芸術の域に達して、庶民から大名までを虜にした真の江戸時代のエンターテイメントだった。これまでその取扱いは日本映画でもタブーとされ、性器部分の描写は映倫審査でボカし加工が必要だった。しかし、本作は、映倫審査で区分【R15+】として指定を受け、商業映画として全国公開される作品としては、日本映画史上初、無修正での浮世絵春画描写が実現した。その自由な精神を現代に映画として表現することを目指して制作された『春画先生』。好きなものにのめり込んでいくおかしな者たちを描く異色の偏愛コメディが誕生した!
“春画への愛”や“春画先生”を通じて、変わり者たちが繰り広げるコミカルな物語が見どころでもある本作。有名な春画研究者である“春画先生”こと芳賀一郎は、その春画への偏愛があいまって、つい春画愛を熱弁してしまったり、アイディアが浮かぶと所かまわず一心不乱に春画メモや「春画大全」の執筆が止まらなくなってしまう等、「推し」がある人なら誰しも共感できる節がある人物だ。
今回、そんなどこか放っておけない、見る人が見ると母性をくすぐる「尊さ」さえも感じてしまう内野聖陽扮する“春画先生”こと芳賀一郎の「変わり者っぷり」が垣間見えるシーンをコレクションした本編抜き映像が解禁。
弟子の弓子(北香那)に喜多川歌麿の「歌まくら」の奥ゆかしさ・魅力を吐息を漏らし説きながらも、突如春画メモを取りだす変人感が満載のシーンや「春画大全」の執筆でPCのキーボードを夢中で打つシーン、今は亡き妻である伊都との再会に、駆け寄って抱き合う芳賀の一途な愛があふれる過去の回想シーンや、なぜか甲冑を纏った武将の姿で弓子に最後の契りを交わしにくるシーンの4連発に、予告編映像をプラスした、“春画先生”こと芳賀一郎の愛らしい変わり者っぷりが満載な映像となっている。SNSでもこれまでのイメージを覆す内野聖陽のかわいらしさに悶絶する人が続出!
■春画とは
肉筆や木版画で描かれ、平安時代からはじまり江戸時代の木版画技術 の発達で全盛期を迎えた人間の性的な交わりを描いた画。鈴木春信,鳥居清長,喜多川歌麿,葛飾北斎,歌川国貞など、著名な浮世絵師のほとんどが春画を手がけていた。江戸時代、春画は“笑い絵”とも言われ単に好色な男性のためのものではなく,身分を問わず多くの老若男女が娯楽として愛好した。その根底には明治時代以降 西洋化でのキリスト教文化流入以前の日本人が持っていたとされる 性をおおらかに肯定する精神が横溢している。超一流から無名まで多 くの絵師、彫師、摺師たちが、表の浮世絵で発揮できない、その持てる全画力と全精力、技巧を注いでとことん真面目に人の性を“笑い” や“風刺”として表現した作品が数多く現存するが、本物が展示される機会はまだ少なく、2015~16年東京と京都で開催された「春画展」 以降、大規模な展覧会は開催されていない。
内野聖陽 北香那 柄本佑 白川和子 安達祐実
原作・監督・脚本:塩田明彦
製作:中西一雄 小林敏之 小西啓介
プロデューサー:小室直子 共同プロデューサー:関口周平 ラインプロデューサー:松田広子
音楽:ゲイリー芦屋 撮影:芦澤明子(JSC) 照明:永田英則 録音:郡弘道 美術:安宅紀史
装飾:山本直輝 スクリプター:柳沼由加里 衣裳デザイン:小川久美子 衣裳:白井恵
ヘアメイク:齋藤美幸 編集:佐藤崇 サウンドエディター:伊東晃
VFXプロデューサー:浅野秀二 VFXディレクター:横石淳
助監督:久保朝洋 制作担当:宮森隆介 宣伝プロデューサー:大﨑かれん
製作:『春画先生』製作委員会(カルチュア・エンタテインメント、TCエンタテインメント、ハピネットファントム・スタジオ)
企画・製作幹事:カルチュア・エンタテインメント 制作プロダクション:オフィス・シロウズ
配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ
2023/日本/カラー/ビスタ/5.1ch/114分 <R15+>
(C)2023「春画先生」製作委員会
※撮影2022年9月
公式HP:https://happinet-phantom.com/shunga-movie