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三浦春馬さんが『太陽の子』を通じて訴えた“生きる”ということ

三浦春馬さんが『太陽の子』を通じて訴えた“生きる”ということ
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三浦春馬さんが逝去してから約1カ月。いまだ多くの人が、心の整理のつかない日々を過ごしているが、三浦春馬さんの出演したドラマ『太陽の子』(NHK)は、予定通り8月15日に放送される。

 『太陽の子』は、実際に原爆の開発を行っていた京都大学物理学研究室を舞台とした実話に基づくドラマだ。太平洋戦争末期に原子爆弾の開発をしていた科学者の石村修(柳楽優弥)と、陸軍の下士官として戦地にいたが病気療養のために帰宅することになった弟の裕之(三浦春馬)らを軸に、物語は描かれる。

 三浦さんが演じる裕之は、凄惨な戦地で死と直面したことにトラウマを抱えながら故郷に戻るも、戦友たちが死んでいるなか自分だけ生き延びるわけにはいかないとの思いを抱え、再び戦地へと戻っていく男性だ。

 複雑な思いを抱えながら“生”と“死”の間を揺らぎ続ける裕之の役作りに、三浦さんはのめりこんでいたと言われる。「週刊文春」(文藝春秋)によれば、残された手記には、裕之の人生を通じて三浦さんが考えた“死”に関する思索がQ&A方式で書かれており、また、裕之の運命とのシンパシーを<敵地から一時帰郷することになった。そして、突如自分の命の時間が引き延ばされた。散る運命を背負いながら家族の前では気丈に振る舞おうとする気持ちを考えると胸が痛んだ。だが、そこに共感を覚えた>と綴っていたという。
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