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選択/津波666/有難う623



選択/津波666/有難う623

私みたいな子供面白くないです よ彼女は私の言葉を聞いてくすっと笑っ たそういうところが好きなのよ ね好きってな何だ [音楽] よ私は会社経営の家に生まれたいわゆる おぼっちゃまだっ た幼い頃に両親は離婚して私は父親の元で 育っ た母と父の離婚の原因は父親だったのだ が経済力だけの理由で1人息子の私を 引き取った 父親母も私を手放したくなかったようだが 仕方がなかった には1人で私を育てる経済的余裕がなかっ たから だ水商売をしていた女を俺が拾ってやった ようなものだと父親は常々言っていたその ことを感じ取っていたからこそ母親も父親 に強くは出られなかったの だろう母親代わりの女性はそれから何人 かれのだがあまりはっきりとは覚えてい ないただ 1人あの女性を覗いて はその彼女の名前はまさんと言った私が 14歳の時うちに来た彼女は当時25歳 くらいだった か中学生ながらに麻衣さんの事情を理解し ていた 私おそらく彼女は 父親の愛人だったのではないかと 思う彼女は私の高校入試の勉強を見てくれ たりもした麻衣さんにはししていたがどこ か彼女のことを受け入れられない自分もい たの だなぜなら私は父親のことが大嫌いだった からあの身勝手な父親の にされるような女をそれまでに何人も見て きただから私はそんな女性たちのことを 軽蔑していたのかもしれ ない今思えばひどい偏見だったと 思う麻衣さんはいつも穏やかで反抗期 まったなの私にも嫌な顔をせずに対応して くれ た私も素直に彼女に感謝すべだったけど今 それを考えても仕方が ない高校入試が決まると彼女は姿を消した のだしかしその時は特に気にはしてい なかっ た数々いた父親の愛人の1人世話がかりの 1人がいなくなった だけそう思っていたのに高校に入ると私の 気持ちには変化が現れ始め た麻衣さんへの思いが募り始めてしまった の だ周りにカップルが増えたから異性に 対する意識が強くなったからかもしれない だが異性に興味を持ったとしても私の意識 は同年代の女子には向かなかっ たそして頭にあるのはいつも麻衣さんの 存在だっったのだ どうして数多くいた女性の中で麻衣さん だけが忘れられなかったのかそれは私が 子春期の時にたまたま来た女性だったから かもしれないでも理由はそれだけではない と分かっていたおそらくその気持ちが恋な のだと気づいていたのだしかしそれに 気づいたとしても彼女の居場所は分から ない父親に聞けば少しの情報はあったかも しれないがあの男に頼るのはどうしても嫌 だったのだそんなモヤモヤとした気持ちを 抱えたまま気づけば数年の月日が流れて しまっ た大学生になり会社を継ぐために少しずつ 会社の経営を手伝い始めた頃のことだった ふらっと立ち寄ったコンビニで私は見覚え のある人を見つけた ま さん一瞬見間違いかと思ったがそのおかは 確かにあった話しかけようかと迷ったが きっと迷惑になるだろうとも思った 使い捨てにされた男の息子になど会いたく もない だろうやめて おこう彼女は私に気づいている様子は なかっ たそそのままレジで会計を済ますと私は店 を後にしたの だだがその夜はどうしても眠れなかった 彼女のことばかりが頭の中を巡るそのうち にやっぱり彼女に会いたいと思ってしまっ たそして彼女に会う方法を考えた結果あの コンビニで働くことを決意したのだ父親に は当然大反対された会社を継ぐ人間が アルバイトなんてする必要はないと言われ たが私は社会勉強のためだからとなんとか 父親を説得したの だいつかは麻衣さんに会えるかもしれない そんな期待を胸に私は授業後アルバイトへ 向かうすると私の予想通り彼女は時折り コンビニに姿を表すようになっ た彼女に会えたことは嬉しかっ はずなのだが私はすぐに自分の行動を後悔 し たなぜなら彼女の左手の薬指にはきらりと 光る指輪があったからだ私はそれを見た 瞬間胸がギュっと掴まれるような複雑な 気持ちになっ たもう叶わないんだな確かに彼女が結婚し ていという可能性も先に考えておくべき だったと思うもう彼女の年齢も30を過ぎ ているし何より彼女のような綺麗で素敵な 女性に相手がいないはずはないのだしかし 私はコンビニのバイトを辞めるにやめられ ない状況だった父親にあれだけ単価を切っ ていた手前すぐにやめるだなんて言い出せ なかったの だこのまま彼女に正体がばれないように 過ごしていこうと思ったがなかなか精神的 にきついものがあった気づけば彼女が店に 現れるたびにレジを離れてしまう自分がい たの だそれから数ヶ月後私はようやく父親に アルバイトを辞めることを伝えたもう大学 4年生になるから会社の経営に専念したい という言い訳に 父親も納得したようだっ たしかしラストの出勤となった日マさんは 店に現れ私に話しかけてきたの だ私のこと覚えている でしょう私はいつも通り彼女とは目を 合わさないようにしていたのだが突然 話しかけられて驚いてしまった私は 下手くそな演技で えと彼女の顔を 見上げる彼女は私の違和感には気づいてい たと思うだがそのことには触れなかっ たずっと私は気づいていたわ大きくなった わ ねま さん私は何と答えるべきなのかわからず ただ小さな声でそうつぶやいただけだった ちょっとこの後時間ある 彼女は私にそう聞いてきた時間帯は10時 を過ぎているが翌日の予定も特にないええ まあそう返事をすると彼女はにっこりと 微笑んだしかしその笑顔はあの当時私に 向けられたものとは少しばかり違うように 見え たどこか他人行義という かでもそれも仕方がないと思うそもそも俺 たちは家族じゃなかったんだよな他人行義 という言葉すら正しいのかわからないのだ なんだか寂しいような複雑な気持ちにも なった 私バイトを終えると着替えて店を出た私 特に親しい人もいなかったから最後の 出勤日も大した挨拶もかわさなかったのだ が特に寂しいは思わなかった思えばバイト を始めたのも全部彼女に会うため今となっ てはバイトに何の思い入れも ない私に話があるという彼女だが今更私に 一体何の用があるというのだろうか店の裏 から入口へ回ると麻衣さんは傘を刺して 待っていた外はあにの雨入る めんどくさがりの私は傘なんて持ってきて いなかっ たあなたのことだからめんどくさがって傘 を持ってこなかったんでしょ ええ彼女は懐かしいねと笑うそういえば私 は昔からめんどくさがり屋で傘なんて 持ち歩いていなかった大体雨の日の部活 終わりには麻衣さんが肛門で待っていて くれたあ の時と一緒だな当時は友達に見られるのが 恥ずかしくて冷たく渡ってしまったが本当 は嬉しかっ た彼女は私に近寄るあありがとうござい ますまいさんと一緒の傘に入ったことは なかったからやけに緊張してしまっ た彼女に連れられて入ったのはとある ファミレスだった もしかしてこの時間帯に空いている店は 少なく選択肢は狭かったから偶然だとは 思うでも私が中学の頃に好きだったこの ファミレスのことを彼女は覚えていたので はないかとそんなことを考えてしまったの だ2人きりで面と向かうとなんだか不思議 な感じが する元気にしてた えいつも彼女の顔をまじまじとは見られ なかったから気づかなかったのだが麻衣 さんはどこか寂しそうで疲れたような表情 をしていたどうしたのかと聞く勇気も なかったが彼女は自分からその理由を話し 始めたの だ私って昔から男運がなくて ね話によると今の旦那さんは人で今別中な のだという男運がないという彼女のことは 申し訳ないけどその通りだと思う当時はお 金のためだったかもしれないが私の父親の ような人と一時期でも愛人関係にあったの は男運というか男を見る目がまるで ないごめんね息子の前なのにいえ構いませ んよ 俺もあいつのこと嫌いなのでそう言うと 麻衣さんは困ったように 笑うお父さんのことをそんなに悪く言っ ちゃだめよしかしそれはあくまで表向きの 言葉私も彼女の気持ちは理解している つもりだだってあの人のことを好きでい 続けるなんて無理に決まっているあの男は 釣った魚に餌はやらないの だあなたは昔から変わっていないわ ね彼女は私の目をじっと見つめている 変わっていないのはいいことなんですかね 私がふっと笑うとまいさんの表情もほぐれ た気がしたいいことよ安心したわそうです か子供っぽいってこと でしょまさんは首をに振る違うわ安心感が あるってことよあの頃の優しい笑顔がそこ にはあったの だ好きだと思う気持ちがまた溢れそうに なって私は俯いてしまっ た もしまいさんは黙ってしまった私に話を 切り出すもしも私が今の旦那と別れたら私 と 付き合える えそんな唐突に何を言い出すのか私は言葉 に詰まってしまっ たまいさんはそんな私をじっと見つめて いるその綺麗な瞳に吸い込まれそうになっ たが必死に焚い たどうしてそんなこと聞くんだよでも きっと彼女は冗談で言ったのだろうだから 私はは真面目に受け答えをしない方がいい と思ったの だ私みたいな子供面白くないですよ彼女は 私の言葉を聞いてくすっと笑ったそういう ところが好きなのよ ね好きって何だよもしかしたら彼女は本気 なのかもしれないそう思ったが私には 踏み込むことはできなかった からかわないでくださいよからかってはい ないんだけど ねこの時の彼女の表情を私は素直に 受け取ればよかったのだと思うでも当時の 私にはそれができなかったの だ私たちの話題はまた元の思い出話に戻り この日は解散したもやっとした気持ちは あったが彼女とはまたすぐに会えるだろう 詳しい場所は聞かなかったがおそらく彼女 の家ばこの辺りなのだと思うだからまだ 彼女の本音を探る機会はあると思ったのだ じゃあ またしかしそう言った私に彼女は悲しげに 微笑んだだけ思えばこの違和感が私に与え られた最後のチャンスだったこの会話を 最後にもう彼女とは会うことはなかったの だなんとか彼女に会いたいと麻衣さんが いつも来ていた時間帯にコンビニに通う 日々だったが彼女の姿を見ることはなかっ た私の予想だが彼女は旦那と別れて実家へ 戻ったのだと 思う旦那と別れたら旦那と別れたら私と 付き合うかとそう聞かれた言葉を 思い出すあの時私が違う返事をしていたら 今私の隣に彼女はいてくれたのだろうかだ が私は自分の後悔に気づかないようにした のだなぜならどれだけ後悔をしたところで 彼女とはもう会うことはないのだ から考えても仕方ねえ よ私のに渡る思いはここで完全に終わりを 告げたのだと 思うしばらくは引きずるだろうと思ってい たのだが案外そうでもなかった大学も卒論 のシーズンになり色々と忙しい時期だった からというのもあるだろうでも本当はもう 終わりにする以外方法がなかっただけだ どうあいても意味ないよなそ の諦めが私を前に進ませた だけそれから私は大学を卒業そして父親の 会社を継いだ学生時代よりもさらに忙しい 毎日が続きそのうちに麻衣さんのことを 思い出す日も減っていた私には父親には 負けたくないという思いが強かったのかも しれないみるみるうちに会社を大きく成長 ていった父親の体もだいぶ弱ってきて今で は私に経営をほとんど任せている状態だっ たから古い事業形態に囚われることなく 自由に経営ができたそれに社員たちも私を 支えてくれる人 ばかり時代に合わせた政策も話題になって 私の会社はメディアに取り上げられること も増えた麻衣さんは今の俺を 褒めてくれるかな今ではその回数は減った ものの私は時折り麻衣さんのことを 思い出す麻衣さんは些細なことでもいつも 私のことを褒めてくれてい た私の今の姿を麻衣さんが見ていてくれ たらいいなと思うそれが1番多なあの時期 に私の母親でいてくれたまいさんに対して できる 私の最大の恩返しなのだと思うさて頑張る か私は今日も気合を入れて仕事へ向かっ た最後までご視聴いただきありがとう ございます今日の朗読はいかがでしたか 物語の感想などコメントをいただけると 嬉しいです是非チャンネル登録もよろしく お願いします ねえさっきお母さんに言ったことどういう 意味その日の夜2人きりの部屋で夏は私に そう尋ね たそのままの意味だよ夏のお母さんに安心 してもらいたいから な私は小さくそう呟い た嘘の恋人でも夏はま に く結婚なんて興味ないから1人でいた方が 楽でいいわ よ私の同僚夏は周りが結婚するたびにそう 言ってい た最初はただの負け惜しみかと思っていた がその言葉は彼女の本音だっ たあっさりととした性格で基本的に1匹狼 だった 彼女仕事でもそうだがプライベートでも 必要以上の関わりを持とうとはしなかっ た私とは時折りのめに行くこともあったが 内容はもっぱら仕事のこと ばかりところが私たちの関係はあることを きっかけに大きく変わり始めたのだ ある日のみに誘われた私は夏に初めて頭を 下げられ た私の恋人のふりをしてほしい の頼み事をされるのも初めてだったがその 内容も内容だ私は返事に困ってういで しまっ たえどうして彼女はそんな私の様子を見て 申し訳なさそうに 俯くごめんね急にこんなこと頼んで親を 安心させたく て夏の家庭のことは詳しくはないがなんと なく知っていた 私彼女が小さい頃に両親は離婚し母が女で 1つで彼女を育てたの だ彼女の話によるとその母親が病気になり 嫁育ばもないのだと いう夏が1人になってしまうことを母親は 心配しているというの だ母親を安心させるために私に恋人役を 頼んだということだっ たまそういうこと ならどうしてもと頼んできた彼女を 突き放すこともできず私はその頼みを承諾 したのだ 県外にいる母親の所に毎週末帰って看病を することになった夏は新幹線台を出すから ついてきてほしいという私も色々と夏には 助けられていることもあるだから日頃の恩 を返すつもりで彼女の嘘に付き合うことに したの だだがそれにしてもどうして彼女は私に約 を頼んだのか頼める人が他にいないからと 彼女は言うのだがその理由を聞いて私は 複雑な気持ちを抱えてい た頼める人 ね本当に好きな人にはきっとこんなことは 頼まないの だろう私はそう思って小さくため息をつい たそりゃそうだよな 最初から恋人を作るつもりも結婚する気も ないそもそもそんな彼女と本当の恋人同士 になんてなれるはずはないの だ私たちの関係はあくまで 同僚その現実を突きつけられた気がし たプロジェクトでは夏と私はチームになる ことも多かった 信頼してくれているのに間違いはないのだ がそれ以上になれないことも心のどこかで は分かっていたのだと 思う仕事ができて美人な彼女は男女問わず 人気があったし部長たちからの信頼も扱っ た私もそんな彼女に対して最初は尊敬の 気持ちが強かったしかし日が立つにつれて そのは変化していったの だ最初に彼女を意識し始めたのは初めての 大きなプロジェクトでのことだった慣れ ない仕事で私たちはとにかく必死だったし 弱を吐くこともあったでも唯一息抜きでき たのはナツと2人でいる時だったように 思うこれは私の思い違いかもしれないが夏 は私にしか見せない表情があるように思え たあなたといるとなんだかほっとするわ ね社交事例にも思えるその言葉を間に受け ていただけかもしれない が私といるとほっとするそれが仮に彼女の 本音だったとしても私のことを男として見 ているわけではなかったと思う2人きりで いて落ち着くのは事実だがそこに脈という ものを全く感じなかったからだ何1つ恋愛 が始まる気配すらない思っているのは俺だ けっか考えても無意味なことばかりだった 頭の中を巡るこの気持ちは恋と気づいてい たけれど私は自分の本音からはあえて目を 背けていたのだと思う仕事にとっても邪念 は厄介だだから私は彼女の気持ちを考える のはやめにし たしかし夏の頼み事を聞き入れたせいで私 の気持ちはまた表に顔を出し始めたの だ夏に頼まれことをしたその週の週末から 私は彼女に言われた通り恋人のふりをした 恋人のふりだなんてなんだか彼女の母親を 騙しているような気がして最初は 心苦しかったでも初めて彼女の母に会った 時に違う感情が浮かんできたの だこの嘘はつくべきだと素敵な彼氏さんね 夏のことをよろしくね夏のことを1人で 一生懸命育ててきた母親の安心した顔を見 て私は絶対にこの嘘を貫き通そうとったの だ私は恋人ではないけれど夏のことを 見守ることはできる ええもちろん です力強く答えたその言葉には嘘はなかっ た母親を安心させることができて夏は ほっとしたようだが私には毎回謝って ばかりいた私に嘘をつかせ続けるのが 辛かったのだろう 気にしなくても大丈夫だと言うが彼女は そうはいかないと いう本当にごめんね ありがとうそしてその嘘の恋人関係も気が つけば4ヶ月が経過していた私も毎回彼女 の母親に会いに行っているから分かるのだ が容大はどんどん悪くなってかなり辛そう な日も増え たそれに伴って夏の表情も暗くなっていっ たの だしばらく仕事を休んで実家で一緒に 過ごすことにした夏私はそのタイミングで 仕事が忙しくなってしまい彼女の実家に顔 を出す回数が減ってしまった私はできる 限り時間を作って週末彼女の元へ向かうの だがそれも学習ならいい方だったと 思うそんなある日のと夜中に夏から電話が かかってきたさらに母親の体調が悪化し 自分のメンタル的にも限界が来ていたよう だ震える彼女の声を聞いていても立っても いられなくなった私は次の日の朝一新幹線 に飛び乗ったのだ彼女の実家にはもう すでに何度も足を運んでいる早足で夏の 実家に向かい玄関の前に着くとチャイムを 押したはい俺だよ大丈夫か私の声を聞いて 言葉に詰まった彼女え本当に来てくれたの すぐに行くとは言っていたがまさか本当に 訪ねてくるとは思っていなかったのだろう 夏はうるんだ目で私を見ていたありがとう 少しだけ一緒にいて ほしいナツの母はすでにに体力がかなり 低下しており会話もあまりできない状態だ という医者もつきっきりで世話をしている 状態だったあら彼氏さん力なく言う母親に 私は思わずこう言ったナツさんを1人には しません絶対に約束し ます私の真剣な言葉に夏の母はにっこりと 微笑んだ 今までは夏の嘘に付き合い夏の発言に 合わせていた私は自らの意思を伝えること はなかったでもこの時はどうしてもその 思いを伝えたかったのだねえさっき お母さんに言ったことどういう 意味その日の夜2人きりの部屋で夏は私に そう尋ね たそのままの意味だよのお母さんに安心し てもらいたいから な私は小さくそう呟いた嘘の恋人でも夏は 気まずそうに 俯く今言うべきなんじゃない かこの際私は夏に自分の気持ちを言うべき か迷っていたいやもう嘘はやめよう俺は お前のことが好きだ付き合ってほしい このタイミングで告白するのが本当に 正しかったのかは分からないでもチャンス はここしかないそう思ったのだ本当の恋人 同士になれば夏の母親を安心させられる それももちろんあるのだが今はその理由が 主ではないただ彼女のことが心の底から 愛しい告白をしたものの夏の気持ちが しっかりと分かっていたわけではなかった あれだけ恋人はいらないとか結婚はしない と言っていた彼女の考えがそう簡単に 変わるとも思えないでも彼女からの返事が 私の望んだものでなくて もそれでもいいと思ったの だ夏を1人にはさせないその約束は同僚と してでも果たせるはずだ 彼女を守るというその気持ちに嘘偽りは なかったし何よりも私は夏の母親に生繁華 な気持ちで伝えてはい ない俺はお前を守りたい絶対に1人にはし ないそれも全部本音だ よそっと夏の方を見上げると彼女もまた私 の方を見つめてい たありがとう 私も 好き彼女のその言葉はただその場だけの ものではない私はそう確信していた長い間 夏と一緒にいたら彼女のことはすぐに わかる彼女のその言葉は間違いなく本音 だったのだ私は彼女のことが愛しくて たまらなくなって考えるよりも先に 抱きしめていた その翌日夏の母親は眠るように息を 引き取った私に夏を頼むと何度も言ってい た夏の母私は彼女の頼みを一生守っていく その決意をさらに強くしたそして夏にも私 の気持ちを全て伝えたの だ夏の母さんとの約束俺は絶対に破らない から 俺に頼って ほしい私の本気度が伝わったのか彼女は涙 をくらいながら何度も頷いてい たあなたが言ってくれて本当に良かっ た彼女は母親を失った悲しみを私に全て ぶつけるように泣いていた母親の葬儀を 終えた夏は実家で家の前に座ってこう言っ たお母さん安心して大丈夫よ私には信頼 できる人がいる から彼女はそっと呟いて私の方に笑顔を 向けてくれた私の肩に頭を乗せた彼女を私 はそっと抱き寄せ頭を 撫でる ありがとうそれは私だけに見せてくれる 特別な表情だっ た1人の人を守るということは大きなが 伴い不安ももちろん あるそれ以上に必ず彼女のことを守って 見せるという決意の方が強かったように 思うずっと一緒に いよそういう私に微笑み返した後彼女は キッチンに移動すると紅茶を入れてくれ たでもまさかこういう形であなたと恋人に なるなんてね 彼女にはまだ少なからず私に嘘をつかせて しまったことへの後ろめたさがあるのだと 思う少し申し訳なさそうに下を向いていっ たそうだなでもこういう始まり方も悪くは ない今ならそう思える最初は嘘から始まっ た恋も嘘でなくなれば立派な愛だと 思う俺はそれでよかったと思う幸せだ から私は自分で言っておきながら照れ臭く なってういでしまったそんな私を見て彼女 はふっと 笑うあなたって本当に優しいの ね彼女はあれから母親と暮らした実家で 過ごすために転勤を申し出た最後に母親と 過ごした家を夏は離れたくないのだと いう生きているうちにもっと一緒にいれば 良かった な彼女は後悔していると言うが仕方が なかったと 思う病気ばかりはいつ何時襲ってくるか わからないものなのだまだ一緒に入れると 思った からその言葉に胸が 痛む夏のお母さんは幸せだったと思うよ 彼女たちの関係を知らないくせに身勝手な 発言かもしれないでも今夏にこの言葉を かけるべきだと思ったの だ ありがとう彼女は私の目を見てにっこりと 微笑んだ私たちは遠距離になってしまうが それでも大丈夫だという自信があったそれ は長年よき仕事のパートナーとしてやって きたからだろうかじゃまた 来月私たちはその言葉をかわして月に1度 のデートを終えるそれからあっという間に 2年という月日が流れた私たちの交際も 順調に続いていたある日のこと私は夏と 同じ部署への転勤が決まったそろそろ結婚 をと考えていた時期だったのでこの タイミングは運命だと感じた 私転勤の件を彼女に連絡すると夏からは 実家で一緒に暮らすことを提案されたのだ ナも私との将来を考えていてくれたから こそ同性の話がすんなりと出てきたのだと 思う私は彼女の家に引っ越してから数ヶ月 後夏にプロポーズをし た俺と婚してください一生幸せにします私 はキャラにもなかったがバラの花束を渡し てそう言った えもちろん よろしくお願いします彼女は驚きつつも私 の申し出を喜んで受け入れてくれたのだ この瞬間私は本当に結婚するんだなという 実感と幸せが込み上げてきたそして何に より彼女が同じ気持ちでいてくれたことが 嬉しかったの だ結婚後はすぐに子供ができて私たちは3 人家族になっ たお母さん可愛いでしょ私たちの 娘そう言って家に微笑む彼女を見ていると とても穏やかな気持ちになる家族も増えて 私の責任は大きくなったがそれ以上にの 楽しみの方が 大きい夏は以前1人の方が楽だと言ってい たが今では私や娘がいてくれて本当に 良かったという考えが変わった理由を彼女 は照れくそうに言ってくれたことが ある本当に好きな人ができたら一緒にい たいと思うでしょ今までそういう人に 出会わなかったんだと思う 彼女は私だから結婚したのだというそんな 風に思ってもらえて私は幸せ者だ私たちは これからも互いに助け合って幸せに生きて いきたいと 思う最後までご視聴いただきありがとう ございます今日の朗読はいかがでしたか 物語の感想などコメントをいただけると 嬉しいです 是非チャンネル登録もよろしくお願いし [音楽] ますはぐらかさないでよ席を立った私の腕 をぐっとつかみ本棚に押しやると彼は私に 覆いかぶさるように片手を頭の上について じっと私を [音楽] 見つめるはいみんな跡について 生徒たちの笑い声が響く校舎窓の外には 青々としげる染め吉野大学を卒業して3年 私は今とある私立高校で英語の教師をして いる平凡な家庭に生まれてなんとなく大学 まで卒業したけれど特にしたいことも夢も なかったとりあえず得意だった英語力を 生かした仕事を選んだけれど 他人に教えを解けるほど自分の生きてきた 人生に自信はない毎日真面目に学校に通い 教科書通りの授業をするそれが私の教師と しての務めだ金属歴3年目にして私は 初めて担任のクラスを受け持つことになっ た初めての経験で正直戸惑っているけれど そんな姿を見せれば生徒たちになめられ しまう私は常に気を張って学校生活を送っ てい たおかげでスタートから3ヶ月特に目立っ たトラブルはないけれど1つだけ気になる ことがあっ たこの生徒よく欠席しているな名簿開いて 確認すると1人の男子生徒小野君に目が 言った彼は病弱なわけでも不登校なわけで もないのに欠席する日が目立つクラスで 孤立しているわけでもなさそうなのに一体 何が原因なんだろう気になった私は去年 小野君のクラス担任だった菅先生に話を 聞くことにしたおあああの子はあまり 深入りしない方がいいかもしれないですよ 体育教師の菅先生はいつもハキハキとして いて裏表のないさっぱりとした活の女性 教師相談ごをしても的確な返答をして くれるのでよくお世話になっているそんな 菅先生が彼のことを気にしない方がいいと いうなんて何か理由があるのだろうか彼の 父親は有名な議員本当は幼稚園から通って いたエスカレーター式の学校で過ごすはず だったのに中頭部の時に色々とやらかして 追い出されたらしいですよだからうちの 学校にに卒業資格を約束する代わりに多額 の寄付金を渡しているんだそうですだから 彼は出席しようとしまいと卒業は約束され ているん ですなかなか引き下がらない私にしびれを 切らした菅先生は自分の知っている事実を ためいき混じりに私に話してくれた彼を 取り巻く環境には父親の権力が大いに関係 しているようだそれて彼にって本当に幸せ なことなんでしょうか思わず自分の感情を ポロリと口から漏らしてしまった私に菅 先生は苦笑いを浮かべる先生まだ3年目で 初めてのクラスだし張り切る気持ちも 分からなくはないですがこの件には首を 突っ込まない方が身のためですよ私たちは あくまでこの学校の教師学校内のことは 私たちが解決しますけどこの話は彼の家庭 の事情になってくる余計なことを言って小 の父親を送らせでもしたら自分の教員生活 も脅かされるかもしれないですよ菅先生の 助言に感謝をしながら私は自分の席でもう 一度彼のことを考えていた彼自身学校に 来れば友達もいるみたいだし投稿自体を嫌 がっているわけではないわよね勝手に あれこれ考えるよりきっと本人に直接話を 聞いた方が解決の糸口になるはず放課後 荷物を片手に私は学校を飛び出していった で話って何だよ小野君と話がしたくて唐突 に家を訪れた私は彼を近くの公園まで 連れ出していた欠席が結構多いみたいだっ たからどうしたのかなって探りを入れる ために少しとぼけたふりで彼の出方を待っ た 私の言葉を小野君は鼻で 笑い飛ばす担任のくせにそんなことも知ら ないわけ俺は他の生徒とは違う特別扱いが まかり通るんだよ俺が学校行こうが休もう がどうせ卒業できるだったらあんたに関係 ないだろう見下したような意味を浮かべて 私に告げる小野君彼の本心はその言葉の どこにも見当たらないそれは聞いているわ 私が聞きたいのはそうじゃないあなたの 意見を聞きに来たのよ学校に行きたいなら ちゃんと通えばいいじゃないクラスにだっ て友達もいるでしょ冷静に話を続ける私に どこか苛立ちを見せる彼は舌打ちをし ながら私を 睨みつける言ってることが理解できないの か俺は普通の家の子供じゃねえんだよ俺の 気持ちなんか関係ないもう俺に構うな 彼の返答を聞いた瞬間やっと本心を見せて くれた気がしたきっと彼自身は学校に行く ことを望んでいるけれどそれが叶わないの は父親に何かを強制させられているから だろうかおいでよ私が通えるように お父さんに頼んであげるから私を 睨みつける鋭い眼光が一瞬やいで見えた けれどまたすぐに彼は私かららして仏を 浮かべるそんなこと言ってどうせ何もでき ないくせに教師なんてみんな俺の親父が 怖くて何もできないただの犬でしかない その言葉には今まで信用できなかった大人 への恨みが込められているように感じた どんなに生生な態度を取っていても結局彼 もまだ生身の18歳誰かを頼って受け入れ てほしいと思うのは何もおかし ない学校に行きたい行きたくない私が聞き たいのはそこだけよまっすぐ彼を見つめて 問いかけた私に彼はちらりと視線を向ける 小さく頷いた彼の姿はまるで幼い少年の ようだった彼の本心を知った以上私のやる ことは決まったわかった何も心配しないで 彼との約束を果たすため私は翌日から小野 君の父親と話をするためにあらゆる手段を 取った時には家の前で待っていたりする ことも毎日そんな生活をしているうちに いつしか小野君は私に心を開いてくれる ようにもなった明るく笑う彼の表情が本来 の性格を物語っているそして数ヶ月後 ついにこんまけした小野君の父親が彼の 自由意思で学校に行ってもいいと認めた 少し無茶をしたことで学校側からは注意が あったけれどそれでもこの決定には大きな 意味がある私たちは2人で顔を合わせて 喜び合ったね先生付き合っている奴とか いるの小野君が毎日学校に来るようになっ て私たちは頻繁に放課後に個別授業をして いたもも私立の名門校に通っていただけ あって勉強はできる小野君クラスの授業で やった内容を自分の自主学習でやってきた ところとすり合わせるためにこうして残っ て勉強に励んでいる下校時間の過ぎた図書 室で私と彼の2人きり不に君は私にそう 問いかけた関係ないでしょからかわないで よ生徒のちょっとした話のネタだという ことは分かっている変に本気で答えても 笑われるだけだ適当に足った私を真剣な目 で見つめてくる小野君いないんだったら俺 と付き合ってよ 先生突然の告白に思わず息が止まる今まで 異性と関わることがほとんどなかった 私両思いになれた学生時代の彼とも結局 長くは続かなかった嬉しいけれど彼は私の 生徒教師と生徒である以前に大人の私が未 成年と付き合うわけにはいかない何言っ てるの冗談言ってないで今日はもう終わり にしましょう彼が本気であることは雰囲気 から伝わっているでも私がここで向き合っ てしまったら逃げられなくなってしまう だろう初めから叶うことのない恋なら 当たり障りなく避けていた方が彼の傷も 小さくて済むだろう今は学校と家庭が彼の 世界の全て卒業して大学に通い始める その視野も広がるはず今本気で私に恋をし ていたとしても卒業すればその気持ちだっ て映れていくそんなものだはぐらかさない でよ席を立った私の腕をぐっとつかみ本棚 に押しやると彼は私に覆いかぶさるように 片手を頭の上についてじっと私を 見つめる純粋なその瞳で全てを捉えている みたいでで息が詰まりそう だ初めてだったんだ逃げずに俺に向き合っ てくれた人俺家が特殊だからいつも特別 扱いされていてそれが他人との壁みたいに 感じていて嫌だった日も受けたし前にいた 中学でもそんな感じの悪口言われてつい かっっとなって暴走した俺に手を焼いた 親父はここに進学させて変な約束取り付け てくるし私立って言っても大した人間は 通ってないから友達を作る必要なんてない 家で勉強だけしていろって縛られて俺って 何のために生きてるんだろうって毎日考え て た初めて彼を取り巻く環境の問題に触れた 気がするみんな小野君の父親の権力に怯え ていたり恩恵を受けるために近づいたりし ていたのだろうそう考えると初めのあの 態度になってしまうのも無理はない彼の心 の痛みはそれほど大きかったのだ学校に 来れるようになって嬉しかったしもっと いろんなことが知りたいって思った俺大学 に行ったら司法試験受けようと思ってる何 年かかるかわからないけど挑戦してみたい んだ彼が自分の口から夢を語るところを 初めて聞いた気がする勉強できる彼には 決して無茶な夢ではない先生には俺の モチベーションになってほしいんだよ私は くをかげていたモチベーションあどうせ今 すぐ付き合ってほしいって言っても現実的 じゃない俺は今の素直な気持ちを先生に 伝えておく大学を出て司法試験に受かっ たら俺と付き合ってほしいもちろんずっと 待ってろとは言わないも俺のこと少しでも 思ってくれてるなら信じて ほしい彼の覚悟はしっかりと未来を見据え ていた大学を卒業して司法試験を受けると なったら最短で今から6年その頃には年齢 的にも関係性としても付き合うことに問題 はない本当にそんな長く思っててくれるの 思わず口にした言葉で自分の気持ちが 見透かされた気がした慌てて口を押さえた 私に小野君は思わず吹き出しながら私の 鼻先にそっと唇を 押し付ける体中の熱が顔に集中していくの を感じていた前歯いいもらっとくわま期待 していてよ 先生そう言ってさそと立ち去った彼鼻先に されたキスの余韻が私の胸を締めつけて 再び春が訪れた頃彼は堂々とした顔つきで 卒業少々を掲げてこの学び屋を去った 振り返ればあっという間の1年だった けれど学ぶことが多かった気がするあの 明るい笑顔がもうそばにないことに寂しさ を感じるけれど忙しくなればそれもきっと 忘れていけるだろう告白されたからという もの私自身もいつのにか彼を異性として見 ていたことに気付かされた失恋に似た胸の 痛みを抱えて私は仕事にせを出していた それから7年後教師という仕事もすっかり 板について新しいクラスの生徒とも全力で ぶつかっている時々くじけそうになること もあるけれど彼らと心から笑い合える時間 が私にとってけがいのない大切なもの そして信頼関係を気付く大切さを教えて くれたのは間違いなく彼だった元気にし てるかな久しぶりに彼と過ごした日々を 思い出していた卒業生の中でも彼は私の中 で特別記憶に残っているあいたいた待って いたよ 先生仕事を植えて校門を出た私の前に スーツ姿の男性が現れた胸元には輝きをを 放つ弁護士 バッチ小野く彼は照れくそうに笑いながら 私にはゆみよる褒めてよちゃんと実力で 最短合格して事務所の研修も終わった ちゃんと1人前の弁護士になるまで会いに 来なかったんだ就職して立派に社会人し てるところ見せたかったから な胸の内から熱い思いがたってくる彼は私 との約束の通り夢を叶えて再び私の元に 戻ってきたその行動力の源は私との絆立派 にすった彼の姿に感動が隠しきれない涙を 浮かべる私をきつく抱きしめる 彼心の底でほんの少しだけこうなることを 期待していた約束だよ先生俺と付き合って ほしい彼の耳元で小さく返事をした私は そのまま彼と唇を重ねたこんなに幸せな日 は人生で2度とない気がしている私たちが 互いを思う気持ちは大きくて強い信頼関係 となり恋へと発展した今度は2人でこの 気持ちを大切に育んでいこう該当の照らす 道を私たちは手をついで歩き始めた 最後までご視聴いただきありがとうござい ます今日の朗読はいかがでしたか物語の 感想などコメントをいただけると嬉しい です是非チャンネル登録もよろしくお願い し ます答えは 簡単あなたに私という存在を意識させ たかったから よ大をついて俺を見つめる眼鏡を外したの 瞳はあの海の時と 同じ真っ青な空と海が 広がるどこまでも続く長い長い果てしない 自閉 線どんなに色が同じでもこの2つが交わる ことは絶対に ないそんな空と海のように人間にも人生に において関わる人間と関わらない人間が いるの だろう自分で決めることはできるけれど その選択が時に正しいかどうかは当事者 しか分からないことだったりもするの ださすがに暑いねぶっ倒れそう だ真夏の 週末俺は親友の領と2人で家から少し少し 離れた海岸を訪れていたことの発端は昨日 の夜せっかくの金曜の夜だというのに彼女 に振られた小心中の自分を慰めてほしいと 涼が家に押しかけてき た学生時代以降仕事が忙しくて恋人を作る 気力もなかった俺からしたら全くもって 贅沢な悩みだ量がした酒を飲みかわし朝方 まで愚痴や思い出話を聞かされ寝不足の体 に浜辺の日光は悪魔的な刺激を もたらす失恋した心を新しい恋で埋め たいそう言い始めたりは勝手に車を走らせ てこの海までやってき たあいつとつるんでいるといつもこう だ振り回される方の身にもなってくれ よ彼のハングリー精神と行動力には尊敬 する部分が あるかといって俺には到底真似できない けれどはめについて早速ナパを始めている 量を横目に海に入ろうとシャツを脱ぎ捨て た 俺あいつは一度ちゃんと本気の恋愛をした 方がいい気が する相を持っていても口に出すことはでき ない他人に偉そうに言えるほど俺も恋愛 経験が豊富なわけではないから だ うわあなんか 生暖かい仕方なく体を冷やそうと海に入っ た俺は思ったよりも水温が高かったことに がっかりしてい た真夏の海だもそんなものですよあなた あまり海には来ない の不に後ろから声をかけられ振り返った先 には小麦肌の女性が俺に優しく微笑みかけ ていた髪は長く少し茶色がかっていて潮風 に揺れている突然話しかけられたことに 動揺しながらも俺はぎこちな笑顔を見せた 海どころか普段は滅多にレジャーなんか 行かないもの で女性はくりと笑って海の中へと入って いくなんとなくそれを後ろで追いながら 不思議な雰囲気に引き込まれてい た綺麗な人だ な初めて会ったはずなのになぜかそんな気 がしない彼女からオイルのバニラのの香り がそっと漂うと思考が鈍っている脳に強い 刺激を送られているようで目の前が クラクラし たあの1人なんです か俺の問いかけに彼女は試すような自然を 向けるなんとなく口から出た言葉だった けれどどうやら下心があると捉えられた よう だ1人だって言ったら その怪しいまに少しの期待が見え隠れして いる普段はナパなんて大胆なことはしない けれどその場の空気感と彼女から醸し出さ れる要さに理性を吹き飛ばされてしまった よう だ量をビーチに残したまま俺は彼女と近く のホテルへ足を運ん だ名前も何も知らない相手なのになぜ こんなににも心が燃え上がるのかその理由 は自分でも分からなかっ た2時間後睡眠不足が祟りいつの間にか寝 てしまった俺は涼からの着信で目を覚まし たナパにことごとく失敗してふくされて いる量をなめながら頭では彼女のことを 思い返してい た俺が起きた時にははもう部屋にはい なかっ たせめて名前や連絡先くらい教えてくれて もよかったの にけれどそう思っているのは結果的に俺 だけだったのかもしれない久しぶりに 見つけた恋の予感を簡単に見失ってしまい 俺はがっくりと肩を落としてい たいって て翌朝 いつものように会社に出勤した俺は昨日の 海で作った日焼に悩まされていたあんなに 強い日差しの中日焼け止めを塗り忘れてい たのだからこうなってしまうに決まって いる真っ赤になった砂中をワイシャツが こするたび悲鳴をあげそうになっ たおはようござい ますため息をつきながら急糖室でコーヒー を入れていると 後ろから同僚の小杉さんが挨拶をしてくれ た おはよう事務がかりの彼女とはほとんど 関わることが ない同じ部署で働いてはいるけれど直接的 に仕事のやり取りをすることはないし休憩 時間に話すことも ない彼女はいわゆる地味なタイプで長い 黒髪を1つに縛り瓶底のような分厚いメガ をつけているファッションなんかほとんど 気にしているそぶりも見えないけれどでも どこかミステリアスな雰囲気も兼ね備えて いた誰かと仲良く話している姿も見たこと がない同僚であること以外俺たちは本当に 接点がなかっ た昨日は楽しかったですね小杉さんと 入れ替えに急糖室を出ようとした俺に彼女 はこっそりと耳打ちをし た突然耳元に息をかけられたことへの同様 とその言葉の意味にみるみるうちに熱が 上がっていく え彼女はくすっと笑をこぼして眼鏡を ずらして 見せる眼鏡の下から覗いた素顔は昨日海で 関係を持った一目惚れしたあの女性だった まさか小杉さんだとは知らずに手を出して しまった なんて驚きと感情の高ぶりに普段なら出さ ないような声が漏れてしまってい た心配しなくても私は口が硬いですから誰 にも言わないですよ安心して くださいそう言って彼女は用事を済ませる と呆然として立ち尽くす俺を置いて先に オフィスに戻っていった 思わぬ形で秘密の共有が 始まり俺は唐突にスリリングな心理ゲーム の中に投げ込まれてしまったような気分 だそれから数週間あの海の一見以来俺はこ あるごとに小杉さんから目を離せないで いる彼女自身も会社では目立たないように 振るっているはずでも別の姿を知って しまっているからこそ余計にそのアップに 心をつまれてい た会社の姿と海の姿一体どっちが本当の 小杉さんなん だろうそんな疑問を胸に抱きながら俺は ついに勇気を出して彼女を食事に誘っ たどうしたんですか私を食事に誘って くれる なんて断られる覚悟で彼女を食事に誘った けれど 意外にも彼女は素直についてきてくれ た何事もなかったかのように振る舞う彼女 の反応に表し抜けしながら密かにとある 覚悟を決めてい た彼女はあの海の日俺と分かっていて関係 を持ったのは間違い ないその真を聞いてみたいと思ってい たもしただの遊び相手だったなら大人しく 諦めよう 遊び相手でいいと言えるほど俺ももう若く はない久しぶりに本気の恋をしたいと思え たこの気持ちを大切にしたかっ たあのさ小杉さんはどうして俺と海 であんなことをしたの かって俺の言葉を遮るように言いたいこと を当てて見せた 彼女口に出すはずだったその後に続く セリフを俺はそのまま唾と一緒に喉元へ 押し込んだ答えを聞くまでどんどんと緊張 感が 押し寄せるこんな状態で本当に悪い結果 だった時諦めがつくのだろう か答えは 簡単あなたに私という存在を意識させ たかったから よ法をついて俺を見つめ 眼鏡を外したその瞳はあの海の時と 同じ自分の心の奥底まで全て見抜かれてい そうでついそわそわして しまうこうでもしなきゃ私とあなたがこう して食事に行くことだってなかった でしょ確かに俺は彼女のことを会社内で 特別気にしたことはなかった毎日仕事に 追われるばかりで恋愛に咲く気力がないと いうのも本音ではある けれどそうだとしてもこの一見さえなけれ ば常に目立たないようにしている小杉さん のことを女性として意識することはなかっ た だろう確信を疲れた俺は思わず言い淀んで しまう私はずっとあなたのことが気になっ ていた からあまり話しとことはなかったけれど誰 とでも簡単に関係を結ぶわけじゃない もの余裕そうな彼女の笑みに俺はすっかり ベースを握られてしまっている彼女から ほのかに香るバニラの匂いにあの日のこと が一気に蘇って くるベッドで見た彼女のつややかな表情を 思い出して途端に俺は頬をあめていた 作戦は成功したよう ね冗談めかして笑う彼女に俺は問いかけ た会社での小杉さんとあの浜辺であった 小杉さんどっちが本当の君な の彼女はその問いに小さく笑って 見せるどちらも同じ人間つまり私である ことに間違いないわ会社では余計なことに 巻き込まれたくないから悪め立ちしない ようになるべく地味な格好をしているだけ でも別に自分でキャラを作っているわけで もない話しかけられたらこのままの私が 話すだけだ しけれどその見た目のおかげで誰も 話しかけてこない でしょ結局見た目や性格で分類したがるの は他人だもの私は私他の誰でも その返答に胸がちくりといん だ確かに彼女が言う通り俺も普段接して いる彼女を勝手に地味な女性という カテゴリーに分類していた話したことも ほとんどないのに資格の情報にばかり頼っ て失礼なことをしていたことに気がついた の だ本当に ごめんでも俺忘れられなく てあの海の日からずっと小杉さんのことを 考えてるん だもっと君のことを知りたいし俺のことも 知って ほしいたった1度切りの関係で終わらせ たくはないん だ素直に思いをぶつけた俺に小杉さんは 嬉しそうに口元を 緩める当たり前でしょやっと距離が縮め られたのにに簡単に離れるわけないじゃ ないそう言って彼女は俺の耳元に唇を 寄せる囁く吐息に体をびつかせながら俺は 鼓動を高鳴らせ た私の勝ちです ねその瞬間俺は全身にこっていた力が抜け て思いっきり脱力していた彼女に翻弄さの が恥ずかしいような嬉しいような複雑な 心境だった彼女の要な雰囲気に飲み込まれ てしまいそう だ俺たちは互いの指先を絡めながら気持ち を確認 し合う一中の相手に思わぬ形で再開できた 俺は自分の中で限る熱い思いを惜しみなく 彼女に伝えたかった帰り道2人で並び ながら歩く街灯もまばらない 夜道時々すれ違う人の目を盗んで俺は彼女 の唇に触れた柔らかい感触に脳がしびれて いくような気がしたそれに答えるように 彼女の腕も俺の首に 回る小さな虫の声だけが心地よくあたりに なり響いてい たあれから俺たちはすぐに交際を始めた 彼女は元々会社で目立つのが嫌であえて 地味な格好をしていたけれど俺と付き合っ たことで一緒にいる時間が増えたからこそ 眼鏡を外したりおしゃれに気を使うことが 増えてきたおかげで他の男性社員たちは 一気に小杉さんに注目した彼氏としては とても複雑な気分だでもそれと同時に彼女 に選んでもらえたことが優越感にもなって いるのは言うまでも ない彼女のおかげで仕事にも全力で 打ち込めるようになった浜辺での小杉さん の印象があるため初めは遊び慣れている 女性なのかと勘違いしていたけれど実際の 彼女は思ったよりまっすぐでいつでも俺に ぶつかって くれるなんで俺より先にお前に恋人が できるんだ よりは俺と小杉さんが付き合い出したこと に少しショックを受けているよう だ親友にも新しい出会いがあることを祈り 俺は久々の自分の恋を全力で育んで いく真夏の日差しとバニラの香りはいつ だって俺にあの頃の時めきを思い出させて くれるその度に俺は小杉さんへの恋心を 増幅させるのだっ た最後までご視聴いただきありがとう ございます今日の朗読はいかがでしたか 物語の感想などコメントをいただけると 嬉しいです是非チャンネル登録もよろしく お願いします [音楽]

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