「桜を見る会」を宣伝に使うなどして2000億円以上を集め経営破綻した「ジャパンライフ」の山口元会長ら14人が詐欺の疑いで逮捕されました。
●小松玲葉 記者
「捜査員につれられてジャパンライフの元会長山口容疑者が自宅から出てきました」
「ジャパンライフ」の元会長 山口隆祥容疑者（78）。
きょう（18日）、詐欺の疑いで、元幹部ら13人とともに警視庁などに逮捕されました。
山口容疑者らは3年前、会社が債務超過に陥り出資者に配当できる見込みがないにも関わらず、50代から80代の男女12人から出資金あわせて8000万円あまりをだまし取った疑いがもたれています。
ジャパンライフは健康グッズなどの「オーナー商法」などを展開し、のべ1万人から2100億円を集めましたが3年前、経営破綻しました。
●契約者の女性
Ｑ全部でいくら投資したんですか？
「1憶3000万円。保険を切り崩した。全部解約したの。それでもっていれたお金だったの」
01:00
オーナー商法を使った手口とは、例えば、客はジャパンライフから100万円でベストを購入し、オーナーになります。オーナーは購入したベストをジャパンライフに預けて別の客にレンタルし、そのレンタル料から配当金として毎月5000円を振り込むというものでした。
●契約者の女性
「年寄りをターゲットにした詐欺ですね、これは」
2019年4月、山口容疑者を直撃すると･･･
●山口隆祥 容疑者
Ｑジャパンライフの件でお話を伺いたいのですが
「違います。そんなことやらない。違います」
Ｑ債権者の方に言葉はありますか
「そういうこと言わないから。迷惑だから」
山口容疑者は1975年にジャパンライフを創業。80年代には国会でマルチまがい商法が取り上げられたほか、中曽根総理（当時）への1000万円の献金など政界とのつながりについても国会で取り上げられました。そして…
安倍前総理が主催した「桜を見る会」に招待されていたことを山口容疑者が資金集めの宣伝に使っていたことが2019年、明らかになりました。
●「桜を見る会」のビラで勧誘を受けた女性
「政治家の名前出された時は、すごくジャパンライフって信用のある有名な会社なんだなって、それで信用したことは事実だと思います」
●小松玲葉 記者
「桜を見る会を宣伝に使ったんですか？安倍前総理とはどのようなご関係なのでしょうか？」
けさ（18日）、報道陣の問いかけに無言のまま捜査車両に乗り込んだ山口容疑者。
02:55
同じころ、愛知県で逮捕されたジャパンライフ元取締役の松下正己容疑者（61）は、逮捕前日のきのう、ＪＮＮのインタビューに応じ、山口容疑者と政界との関係についてこう証言しました。
●ジャパンライフ元取締役 松下正己 容疑者
「いろんな政治の方にも献金とかはしているけど、裏金じゃねえから全然問題ねえよ、僕は堂々と払っているんだからとか言ってましたよ。（桜をみる会の）招待状とか印刷して『俺はすごいんだぞ』『うちはすごいんだぞ』みたいなのだと思うんです。安倍（前総理）さんの場合、お父さんだと思いますね、お父さんだって言ってましたから。一番親しかったのは」
かつて、国会では、安倍前総理の父親安倍晋太郎外務大臣（当時）が追求をうけていました。
●社会党・松浦利尚 議員（当時）
「山口会長とともにニューヨークを表敬訪問しておると、ご記憶ですか、外務大臣」
ニューヨークへの外遊に、山口容疑者が同行したのでは、という質問。
●安倍晋太郎 外相（当時）
「ちょうど私が国連にいっておったときに紹介といいますか、おられたことは事実です」
当時、晋太郎氏の秘書官を務めていた安倍前総理も、この場にいたのではないかと、2019年、野党が外務省にただすと･･･
「一行名簿に当時外務大臣秘書官だった安倍総理の名前が記載されております」
「ある！？」
「はい」
「おー出た！きわめて重要な情報」
ジャパンライフには消費者庁のＯＢが顧問として天下っていたことなども判明、消費者庁の姿勢も国会で追及されました。
過去最大級の巨額詐欺被害は防げなかったのか。政治と行政の責任も改めて問われそうです。
（Ｎスタ 2020年9月18日放送）
#桜を見る会 #ジャパンライフ #詐欺
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