“いい人ぶらない”渋野日向子の自然体な復活劇 「笑顔の暗殺者ね」と元世界1位が称えたワケ<全米女子4位>
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17番のグリーン脇で渋野日向子はしばらくじっと固まったように動かなかった。
カップに届かなかったボールをさっと拾い上げ、深くうつむきながらこう思っていた。
「……ダサいな」
最終日を1打差の単独首位から出たものの、10番でその座を明け渡すと、17番パー3を迎える頃には韓国のキム・アリムに2打差をつけられ、あとのない状況に追い込まれていた。
追いつくためには残り2ホールで連続バーディーを奪うしかない。だが、乾坤一擲の12mのバーディーパットを打ちきれなかった。カップに届かせることすらできなかった。
「バーディーを取るしかない17番であのショートは本当にありえない。優勝争いをしている中ですごく情けなかった」
事実上の終戦を迎えた瞬間、渋野は悔しさに打ちのめされていたのだった。
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