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作品賞「罪の声」の土井裕泰監督(56)は「エンタメに関わる誰もが息を詰め、考えさせられたこの年に作品賞をいただけたことに価値を感じます」と言う。昭和の終わりに… – 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト

作品賞「罪の声」の土井裕泰監督(56)は「エンタメに関わる誰もが息を詰め、考えさせられたこの年に作品賞をいただけたことに価値を感じます」と言う。昭和の終わりに… – 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkansports.com)。..

作品賞「罪の声」の土井裕泰監督(56)は「エンタメに関わる誰もが息を詰め、考えさせられたこの年に作品賞をいただけたことに価値を感じます」と言う。
昭和の終わりに起きた未解決の企業脅迫事件が題材。「事件の時は大学生。脅迫に使われた『子どもの声』がもし自分だったらという原作(塩田武士氏)の着想が素晴らしかった。元新聞記者らしい緻密で濃厚な作品。昭和らしい背景を探し、2時間の映画にするのはなかなかの作業でした」。
TBSの社員監督。近作ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でも組んだ野木亜紀子さんが脚本を担当した。「事実部分の検証。フィクションを織り込むあんばいを一緒に考えた」。ヒットドラマ連発の手だれ2人が複雑な事件を明解なエンタメに仕上げた。「小栗さんは聞き役で受けの芝居が多かったのに、結果は『主演賞』。テーラーのたたずまいになりきった星野源さんといい、『昭和』を表現した役者さんがみんな素晴らしかった」と振り返った。
映画監督作は7本目。「映画は体験。高校生の時『ディア・ハンター』を見て、戦地ベトナムに連れて行かれた気持ちになった。あの感覚を目指しています」。【相原斎】
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◆罪の声 35年前、企業を恐喝した未解決事件があった。新聞記者の阿久津(小栗旬)は、時効になった事件を追う特別取材班に選ばれ取材を重ねている。一方、テーラーを営む曽根(星野源)は、父の遺品の中にカセットテープを見つける。犯人グループが身代金の受け渡しに使用した脅迫テープと同じ声だった-。
◆土井裕泰(どい・のぶひろ)1964年(昭39)4月11日、広島県生まれ。TBS製作1部所属のドラマ演出家、映画監督。「魔女の条件」「コウノドリ」「重版出来!」「カルテット」などのドラマと、「いま、会いにゆきます」「涙そうそう」「ハナミズキ」「ビリギャル」などの映画作品がある。次回作「花束みたいな恋をした」(菅田将暉、有村架純ら出演)が21年1月に公開される。
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▽作品賞・選考経過 「罪の声」は「衝撃を受けた。キツネ目の男が動いているのに感動した」(駒井尚文氏)の声。「朝が来る」は「社会問題を一個人として描いた」(伊藤さとり氏)、「浅田家!」は「小さな家族に焦点を当て、色彩豊かでさわやかな気持ちにさせてくれた」(三輪祐見子氏)などと評価。2回の投票で「罪-」が過半数。 …