新型コロナウイルスのワクチンの接種後にアレルギー症状である「アナフィラキシー」が報告されていることについて、専門家は「ほとんどは軽い症状で現状は過度な心配は必要ない」と見解を示しました。
大阪大学免疫学フロンティア研究センター・宮坂昌之招聘(しょうへい)教授:「(一般的に言われるのは)生命に関わるようなアナフィラキシーの頻度は100万回に1~5回以下。今回の日本の場合はほとんどがレベル1で軽いものだと思います」
免疫学が専門の宮坂昌之名誉教授によりますと、アナフィラキシーとはアレルギーを引き起こす物質が体内に入った時に起きる防御反応で、症状の重さによって3段階に分けられています。
国内では11日までにワクチンの接種後に女性24人と男性1人の合わせて25人がアナフィラキシーを発症していて、宮坂名誉教授はほとんどがワクチンに関連したものだと分析しています。
症状はじんましんなどの皮膚症状のほか、せきやめまいなどが多く、アナフィラキシーのなかで最も軽い「レベル1」に該当すると見解を示しました。
大阪大学免疫学フロンティア研究センター・宮坂昌之招聘教授:「エピペン(薬)を投与することで症状は消えているとすると、アナフィラキシーがあることは頭に置いておかないといけないけど、これでワクチン接種が止まるようなことではない」
欧米に比べて報告数が多いことや女性に多く見られることの原因については「分からない」としていますが、ワクチンに含まれる物質が原因となっている可能性もあると指摘しました。
大阪大学免疫学フロンティア研究センター・宮坂昌之招聘教授:「日本の方が若干多そうである。そのへんは間違いないと思いますけれども、海外よりひどいアナフィラキシーが起きているかというと、それはなさそう。女性の方が色んな免疫反応が強く起きる傾向にあることは、これまでも言われてます。女性(が多い)という点に関しては海外も日本も同じである。もし日本が軽いアナフィラキシー頻度が多いとすれば、それはこれから調べないと分からない」
接種後は15分から30分の待機が求められます。
アナフィラキシーは遅くとも1時間以内に症状が出るため、症状が出てすぐに医師の診察を受け、薬が投与されればより重い症状であるアナフィラキシーショックにはならないだろうということです。
大阪大学免疫学フロンティア研究センター・宮坂昌之招聘教授:「軽いアナフィラキシーは治療可能で、そこに医者がいてエピペン(薬)があればショック状態になることはまずないと思う」
厚労省では13日に専門家らの審議会が開かれ、ワクチンとの因果関係などが話し合われます。
[テレ朝news]