倉本彩と永井拓巳は北海道の診療所で暮らしていた。
そんなある日、東京いる彩の親友である遠藤園子が
結婚することになり、披露宴に出るため彩と拓巳は東
京に上京する。その場で彩と永井秀一は再会する。
秀一を忘れきれていない彩に、拓巳がかねてからの
思いを伝え2つの箱をもってきて「この箱の中には、
それぞれ赤と白のバラの花が1本づつ入っている。も
しお前が、赤のバラを引いたら結婚しよう。白だった
らこの話はなかったことにして白紙に戻そう。これが
俺にとってパンドラの箱のようなものだ」。
彩はそっと一方の箱を
選んで中をあけると赤
のバラの花が一本。
その瞬間、拓巳は大喜びで
「ヤッタ!!彩と結婚だ!!」大喜びの拓巳を見なが
ら彩はもう一方の箱も開くと、もう1つの箱の中も赤
。策略がばれた拓巳はあわてて、「白紙に戻すから許
してくれ」と彩に誤ると、彩は拓巳との結婚に応じた
。「本当にいいのか!本当に俺で!!」彩は秀一への
思いを隠しながら拓巳との結婚を選んだ。
一方、秀一と結婚し、子を身篭もっている結城祥子
は産婦人科の矢上俊明に心臓に欠陥があ
るまま子を産ませられ死亡。祥子が死んで気遣う彩は
秀一が今も彩を愛していることを知り、心がゆれてい
た。
拓巳は綾との結婚を喜びながら指輪を買い、彩の指にはめようとするが、サイズが合わず、秀一の思いを捨てきれない彩は涙を流す。
彩を毛嫌いする亡き祥子の母貴子は秀一と彩の仲を拓巳に話し、拓巳は彩に秀一との仲を問いただした。拓巳の問い詰めに彩は涙を流すばかりでこたえられない。
「指輪・・はめようとした時もお前、泣いてたな。あの時と同じ涙なのか?」
彩が今も秀一の事を思い続けていることを知った拓巳は涙を浮かべ
彩・・信じてたのに・・。お前の涙を見るまでは信じていたのに・・・・。
何もかも捨て、1人になった自分を北海道まで追い掛けてきてくれた拓巳を裏切ったことに気付いた彩は拓巳との結婚を決意する。しかし拓巳は彩の気持ちを受け入れず兄秀一と共に北海道に向かわせる。
秀一が院長を努める永世会病院に医者として潜り込んでいた矢上は秀一を北海道にいかせないよう仕組み、拓巳が載ったエレベーターを壊し、拓巳を一生立つことの出来ない下半身不随に追い込む。病院を任せたはずの拓巳が医者として再起不能となってしまったことで彩と北海道に帰ろうとした秀一は病院に戻ることになった。
下半身不随で立つことの出来ない拓巳を気遣い秀一と別れて彩は拓巳と暮らすことを決めた。彩は自分の心の全てを捨て拓巳との一生を決意したのだ。
秀一の妻祥子を死に追いやったことを知っている矢上が努めていた前の病院の看護婦川村景子は矢上にレイプされ弱みを握られているため、それを話せず、下半身が不自由となった拓巳を愛していく。そのため矢上の陰謀に力を貸し、拓巳と彩を引き離そうとしてしまう。愛より強い、憎しみの心をもつ矢上は彩の愛の美しさに心を奪われ、彩を愛していく。
彩の愛と母美智代の死が拓巳を立直らせ、車椅子ながら再び医者に復帰させる。拓巳は彩が秀一を愛し続けている事を思い、彩を秀一に返し、景子をつれて北海道に帰ろうとするが、景子が拓巳と彩が北海道に帰ると誤解し彩を怪我させ失明さ せてしまう。
耳も口も聞けず、目も見えなくなった彩であったが、秀一の思いを受け入れて一夜を過ごし結婚の約束をする。
一方、矢上は秀一に闇献金の罪を
着せ、院長から引き摺り落とし、自
が院長の椅子に座った。
そんな陰謀を病院の補佐を努めて
きた小泉美和から聞いた拓巳は矢上
の陰謀を知り、自分の足を動かなく
したのは矢上と知った。これを病院
中に報せた拓巳は矢上を院長から引
きづり落とした。
発狂した矢上は彩を誘拐。拓巳を
も連れ出し、彩と無理心中を試みる。
矢上は秀一と実の兄弟だった。生ま
れた秀一を捨てた母に育てられ、母
の愛を知らずに、捨てられた弟が自
分より苦労して生きていることを想像して育ったが、捨て子の秀一が大病院の院長になったことを知って妬み、復讐を誓い、秀一から院長の座を奪ったものの、その座は敢えなく転落したのだ。もはや彩と共に死ぬしか手立てが無かった。
拓巳は彩と共に死のうとする矢上を止めようと、立てぬはずの体を起こし、矢上ともみ合い両者、力尽きた。
矢上は行方不明。彩と拓巳は助かり、いよいよ秀一との結婚を待つばかりとなった。 彩は教会で秀一がやってくるのを待っていた。そして彩のもとへ新郎秀一が現われる。秀一は 彩・・綺麗だよ
そう言った秀一は血塗れだった。秀一は矢上に刃物で刺され血塗れで教会に入場。そして彩の手をつかめぬまま力尽きて倒れこみ、病院に運ばれる途中死亡。目も耳も聞こえぬ彩は情況がつかめぬまま角膜手術を受ける。秀一の亡き後、院長には拓巳が就任。数日後、視力を回復した彩は秀一が死に、その目は秀一のものと知る。自殺を試みるが、拓巳と美和が説得し、彩には秀一の子が宿っている事を伝えられ踏み止まる。
彩は北海道に帰ろうとしたとき拓巳が現われ、2つの箱を出して
「この箱にはそれぞれ赤と白のバラの花が1本入っている。彩が取ったはこの中が、赤だったら結婚しよう。もし白だったら遠くからお前を見守るだけでいい」
彩の引いた花は白だった。拓巳と感謝の挨拶を交わした彩は北海道に帰っていく。
彩・・君を忘れないよ
拓巳の渡した箱は2つとも白だった。拓巳は彩に良い思いでとして心に残ればいいと思ったのだ。