#GIRLS

遥奈 応援夏 高校野球 深海彼女



2009静岡あさひTV生出演時の模様です。
時間の関係でショートバージョンですが・・・・

ファーストミニアルバム「深海彼女」に続く第二段CDも発売予定!

詳しくは遥奈ホームページにて  http://haruna.275u.net/

「応援夏」(おうえんか)

最後に見たのは
夏の入道雲に届いたボール。
時間が止まった気がした。
相手チームが塁を駆け出して、
どんどん点が引き離されていく。
豆だらけの手の平を、ひらけなかった。

怒鳴られて、汗だくになって、
どんなに走っても、まだ足りなくて。
負けそうになった。
投げ出したくなった。
それでも最後には
いつもへとへとの帰り道、
馬鹿正直に笑ってる、自分がいた。
バットの打つ音でうれしくなって、
それで、ボールが空の青にひたされる、
あの瞬間が 大好きだった。
そんな、あの頃。

声を上げた僕等の夏。
あっけないほどの一瞬のこと。
終わってしまった僕の夏。
そのためだけに生きていた。

泥だらけになって走りまわった。
追いかけまわした夢があった。
あとどれくらい、なんて考えて
届くことを信じてボールを投げた。

真昼の空に響く音で、
握ってたボールが手から落ちた。
もう少しだけ
信じられずに居たかったよ。

負け惜しみみたいに、
うたったうた。
肩を落とす僕等に
うたったうた。

叫んだ声はどうしようもなくて、
悔しい気持ちを噛み砕いた。
この地面には 少しでも多く
僕等の足跡を残していこう。

走りまわったこの場所に、
最後に深く頭を下げた。
何もかもすべてが
このままで在ってほしくて。

深くかぶった野球帽に、
うたったうた。
汚れきったその背中に、
うたったうた。

疲れた足取りの帰り道。
もう戻れないこと、思い出して
振り返ったそこには夕焼けがあった。

忘れないようにと、
うたったうた。
もう二度と出会えない僕等の夏。

くだらないあの日々が大好きでした。
戻れないあの日々が大好きでした。

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