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IM Lecture 5:古典にみられる「風邪」コロナ?



1. 今回は古典(主に日本)に記述されている風邪(呼名 しはぶきやみ)についてです。これまで殆どのそうした記録はインフルエンザであろうと、そう比定されています。しかし中にはそれ以外、例えば季節性風邪コロナウイルスによる可能性があるものがあります。
2. 中国の古典「黄帝内経」には既に風邪の本質を突くような記載がなされています。我が国でも、風邪と思われる記載がいくつかの書物に示されています。
3. 高熱はたやすくわかり、あれば記述されたであろう症状です。なので、その記述がない場合は、鼻風邪だけであれば(例えば)ライノウイルス、鼻風邪+上気道炎(喉痛、咳)であれば季節性コロナウイルスの可能性があると考えます。万葉集第5巻、山上憶良の「貧窮問答歌」には、寒い時期の「鼻風邪+咳」の症状があり、これは季節性コロナウイルスを疑わせる症状です。
4. 科学的分析で、季節性コロナウイルスのHCoV-NL63は11世紀に最も近縁のHCoV-229Eから分岐したと報告されています。であれば、NL63はこの時代に、今と同じようにコロナウイルスパンデミックを起こしたかもしれないし、229Eはその時代に既に今と同じようにコロナ風邪の一つであったでしょう。
5. 結論ですが、人類は千年以上コロナウイルスと地球で共存してきましたし、これからもそうでしょう。ウイズコロナが続くわけですが、平常に戻りパンデミックへの準備は忘れないことが肝要と思います。

*YouTubeに最適な解像度の1280×720で撮影したのですが、なぜか動画の左に細い黒帯があります。ご了承ください(簡単に削除する方法をご存じの方は教えてくださいませ)。