近代日本美術の発展に大きな功績を残した岡倉天心の半生を描いた復興支援映画「天心」の主要キャストが14日発表された。
主人公の天心を演じる竹中直人さん、横山大観役の中村獅童さん、下村観山役の木下ほうかさんなど実力派俳優陣が脇を固める。
映画は、天心の弟子にあたる若き日の横山大観の目を通し、兄弟弟子の菱田春草、下村観山、木村武山らとともに師匠の実像や師弟愛に迫る物語。
茨城新聞(当時はいはらき)の記者が大観に質問を投げかけるシーンから物語がスタートするなど、本紙記者が重要な場面で随所に出演するという。
今回発表されたのは中村獅童さん、木下ほうかさんのほか、菱田春草役に平山浩行さん、木村武山役に橋本一郎さん、狩野芳崖役に温水洋一さん、アーネスト・フェノロサ役にイアン・ムーアさん、菱田千代役に鹿嶋市出身のキタキマユさん、九鬼隆一役を水戸市出身の渡辺裕之さんが演じることになった。
松村克弥監督は「天心と4人の弟子たちはそれぞれ個性的な人ばかりで、イメージにあった人たちに出演してもらえることとなった。生の人間像をリアルに描いていきたい」と意欲を見せた。
映画は26日に県内でクランクイン。年内に撮影を終える予定となっている。来年9月2日に東京芸大の奏楽堂で完成披露試写会を開き、来秋の公開を目指している。