山形県などでは25日、川が氾濫したり「緊急安全確保」が発令されたりするなど、大雨による災害リスクが高まって危険な状況となりました。埼玉県では24日、突風による被害が続出。土砂災害や竜巻をもたらす前兆現象、そして命を守る避難方法を考えます。
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そこで今回の#みんなのギモンでは、「大雨・土砂災害 命守る行動は?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。
●厳重警戒 土砂災害の前兆
●竜巻が迫る? 危険な雲
■由利本荘市を流れる川、両岸で氾濫
鈴江奈々アナウンサー
「秋田・由利本荘市を流れる子吉川で、午後2時に氾濫発生情報が発表されました。午後2時半すぎの画像では、川の境が分からないような状態になっています。平常時と比べると大きく違うのが分かります。左岸側の堤防を越えて氾濫が発生しています」
「この場所は河口から17.2キロ地点で、ここからさらに上流に3キロ上がった20キロ地点では右岸側にも越水して氾濫発生情報が午後2時40分に出ています。子吉川は左右で氾濫が発生しているような状況になっています」
■川の水位上昇で「内水氾濫」の危険も
鈴江アナウンサー
「山形・最上地方の鮭川のライブ映像では、河口から16キロほどの地点で車が橋を通っているのが確認できますが、かなり水位が上昇しているのが分かります。鮭川には、いつ氾濫してもおかしくないという氾濫危険情報が出ていて、大変危険な状況が続いています」
「鮭川の流域にあたる新庄市には、全域で『緊急安全確保』が出されています。新庄市の状況は分かりませんが、河川氾濫の恐れ、または土砂災害の危険があるということです」
「鮭川の水位が上昇すると、そこに水が流れて行きにくくなって、街の方で内水氾濫も起きやすくなっています。大変危険な状況が続いています」
「山形県では、これまでに経験したことのない大雨で、既に災害が発生している可能性が極めて高い『大雨特別警報』が発表されています」
「遊佐町と酒田市では、命の危険が迫っているために『緊急安全確保』(が出され)、直ちに身の安全を確保するよう、最大級の警戒が呼びかけられています。また今後の雨の降り方によっては、他の市町村にも大雨特別警報の発表の可能性があります」
森圭介アナウンサー
「日没を迎え、さらに雨がやんだとしても川の増水は遅れてきます。流域の方々はこういった情報にチェックしてほしいです」
■「キキクル」で見る土砂災害リスク
鈴江アナウンサー
「気象庁が提供している、土砂災害の危険度を表すキキクルで、25日午後4時20現在の山形県などの状況を確認します。色が付いている所は土砂災害のリスクが高まってきている地域です」
「特に紫色は警戒レベル4相当、いつ土砂災害が起きてもおかしくない場所になります。山形県と秋田県の一部の地域で広がっているのが確認できます。こういった地域の皆さんには厳重に警戒していただきたいと思います」
■土砂災害が起きる際の前兆現象
鈴江アナウンサー
「土砂災害が発生する時には、必ずというわけではないのですが、前兆現象が起きることがあります。まず山の斜面に亀裂が入る、そして小石がぱらぱらと落ちてくる。こうした時は、崖崩れが起きる恐れがあります」
「また、山あいの川の水が茶色く濁っている、焦げくさいにおいがする時は、土石流が発生する恐れ、もしくは既に発生している現象になります。石や木がぶつかって、火花が出てにおうこともあります」
「こうした現象を感じた時は、とにかく崖のそばや水辺から離れるようにしてください。地下室や地下街は、水が流れ込んでくる恐れがあるので大変危険です」
「自宅から既に外に出られないような状況の時には、山の斜面とは反対側で2階以上の高い所に身を寄せるなどして、少しでも安全な場所に身を置くようにしていただきたいと思います」
森アナウンサー
「早い段階で避難できる方はしていただきたいです。(高い場所への)垂直避難が有効な地域もありますが、家の近くに崖がある、川のほとりであるなど、住環境によって警戒するものが変わります。ご自身の家の状況を判断して、情報を確認してもらいたいです」
鈴江アナウンサー
「それぞれ、少しでも安全が確保できる場所を選んでいただきたいと思います」
■荒川区では黒い積乱雲と「雨柱」が
鈴江アナウンサー
「一方で24日、関東でも突風の被害がありました。24日は午後から関東で天候が急変。東京・練馬区ではひょうのようなものが降り注ぎ、激しく打ち付ける音が聞こえました」
「東京・荒川区では真っ黒な積乱雲が街を飲みこもうとするような様子もありました。局地的に雨が降り注ぐ『雨柱』も確認できました」
■埼玉県では突風による被害が相次ぐ
鈴江アナウンサー
「埼玉県南部では突風の被害が続出し、看板が落下したり、ゴルフ場の柱が折れたりするという被害もありました」
「埼玉県内では他にも高校のグラウンドで倒木があり、男子高校生が頭にケガをするという事故もありました。神社や住宅にも突風の被害が出ていました」
山崎誠アナウンサー
「看板が上から落ちてくるなど、明らかに意識や視野の外から起きることが多いと思うんですよ。ですので、状況や前兆をつかんで温度感を高めておくことが大事かもしれませんね」
■竜巻も…「天気急変」危険なサイン
「24日の現象が竜巻と断定されたわけではないのですが、気象庁によると、竜巻をもたらすような天候の急変にはいくつかの前兆があります」
「低くて真っ黒い雲が近づいてくる、雷の音や光が見えたり聞こえたりする、急に冷たい風が吹いてくる、この3つはぜひ覚えてください。こういった前兆現象をこれまで感じたことはありますか?」
桐谷美玲キャスター
「まさに24日に日本テレビに来る時、黒い雲がどんどん迫ってきている感じがあったので『これから雨降りそうだな』と感じました。最近、犬の散歩に夕方や夜行くんですが、突然冷たい風が吹いてくることがあるので、そういう時は急いで家に帰るようにしています」
鈴江アナウンサー
「身を守るためにもそういった前兆をキャッチするのはとても大事です。そして25日午後4時半ごろにも雷雲が各地で発生している状況です」
■渦巻き状の雲が垂れ下がる「ろうと雲」
鈴江アナウンサー
「『竜巻の卵』と呼ばれる危険な雲を、はっきりととらえた貴重な映像があります。なかなか見たことがないような雲です。2017年に新潟・上越市で撮影された、『ろうと雲』と呼ばれるものです。発達した積乱雲の底から、渦巻き状の雲が垂れ下がる現象です」
「地面まで達すると竜巻になるため、『竜巻の卵』とも呼ばれています。この時は最後、雲の中に消えていったということです。太いほどパワーがあるので、大変危険な雲と言えるそうです」
忽滑谷こころアナウンサー
「ろうと雲は初めて見ましたが、見かけたらドキッとするような姿かたちですよね。危険そうだなと思いますが、どうやって避難をしたらいいのでしょうか?」
■天気急変の前兆を感じた時の避難方法
鈴江アナウンサー
「こういった前兆を見たり感じたりした時の避難方法です。屋外にいたらすぐに、できるだけ頑丈な建物の中に避難するようにしてください。建物はコンクリート製で、車庫や物置、プレハブなどは避難場所に選ばないようにしてください」
「もし作業や行事をしていたら、一刻も早く中止して早めの避難を心がけてください。屋内にいる場合は、雨戸や窓・カーテンを閉めるようにしてください。建物の中心部に近い、より安全な場所に移動するようにしていただきたいと思います」
桐谷キャスター
「大げさだと思わずに、命を守る行動を取ってほしいですね」
鈴江アナウンサー
「山形県を中心に多くの河川がいつ氾濫してもおかしくない状況が続いています。山形には大雨特別警報が出ています。既に災害が発生している地域もあります。山形県、そして周辺の自治体の皆さんは、少しでも安全な場所で過ごすようにお願いします」
(2024年7月25日放送「news every.」より)
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